西武鉄道は、線路の点検や保守作業にあたる係員の熱中症対策として、キャンピングカーを活用した移動式休憩所を導入した。埼玉県飯能市の保線所で2026年5月15日、係員が休憩所内で涼む様子が報道陣に公開された。近年の記録的な酷暑を受け、作業員から「作業場の近くに設置できる移動式休憩所が欲しい」との要望が寄せられていた。昨夏の試行期間を経て、本格導入が決定した。
移動式休憩所の仕様と特徴
導入されたキャンピングカーは、全長4.99メートル、幅1.98メートル、高さ2.96メートルの国産市販タイプで、屋根にはソーラーパネルを搭載。車内にはエアコン、冷蔵庫、電子レンジ、トイレに加え、3つの就寝スペースを備え、乗車定員は6人。空調が効いた快適な空間で、作業員は休息を取ることができる。
背景と導入の経緯
西武鉄道の担当者は、「線路上での作業は日陰が少なく、レールからの照り返しもあり、夏場は特に過酷な環境です。秩父方面の山間部では、近くに休憩場所を確保するのが難しい状況でした」と説明。こうした現場の声を受け、移動式休憩所の導入が決まった。
実際に移動式休憩所を利用した船山翔平主任技術員(29)は、「日差しを避けながら冷たいものを飲み、ゆっくり腰を下ろせる。離れた休憩所まで往復する時間が省け、作業効率も上がります」と効果を語った。
今後の活用計画
西武鉄道では、この移動式休憩所を夏場の熱中症対策だけでなく、台風などの風水害や降雪時の警戒態勢、各種イベントの受付などにも活用する方針。多目的に利用することで、社員の安全と業務効率の向上を図る。



