先進7カ国(G7)デジタル・技術相会合が29日、フランス・パリで開催された。G7関係者によると、未成年者がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で心身に被害を受けないための「共通原則」が初めて打ち出された。運営事業者に対し、実効性のある年齢確認など未成年者を保護する設計を求める内容で、今後、国際的な指針となる可能性がある。
閣僚宣言で危機感表明
G7会合で採択された閣僚宣言では、「未成年者は、自傷行為の誘導や性的な勧誘、犯罪行為への加担などにさらされている」と危機感を示し、未成年者を保護する共通原則の必要性を強調。「未成年者を幅広いリスクから保護し、保護者らに力を与え、未成年者が最大の恩恵を受けられるようにする」と記された。
共通原則の7項目
共通原則は7項目で構成され、運営事業者に対して以下の措置を求めている。
- 実効性のある利用者の年齢確認
- 未成年者を保護するサービス設計
- 同意に基づかない私的な画像の作成禁止
- 保護者が使いやすい利用管理
- 違法な投稿を取り締まるなどリスク管理の強化
さらに、保護者や学校関係者などを念頭に、情報リテラシーの向上や政府、市民、学術研究機関の連携を進めることも盛り込まれた。
年齢確認の課題
年齢確認を巡っては、フェイスブック(FB)やインスタグラムは既に利用年齢を13歳以上と定めているが、虚偽の生年月日を入力できるのが実情で、年齢確認が不十分と指摘されていた。アルゴリズムによって中毒性のある内容を次々と見せ続ける「ウサギの穴」現象も問題視されている。共通原則に法的拘束力はないが、各国は原則を基に国内法や規制、指導を強化し、企業に対処を求めていく方針だ。
世界各国の規制動向
未成年者のSNS規制を巡っては、世界各国が既に規制強化に乗り出している。日本では、総務省の有識者会議が4月に示した論点整理案で、SNS事業者に対する年齢確認の義務化を検討事項として盛り込んだ。一方で、年齢による一律制限は「望ましくない」としている。こども家庭庁の有識者会議も規制のあり方について議論しており、夏をめどに報告書を取りまとめる予定だ。今回の会合には、堀内詔子総務副大臣らが参加した。



