墨田産院の新生児取り違え、実親発見ならず 都の調査が実質終了
新生児取り違え、実親発見ならず 都の調査終了

新生児取り違え事件、実親発見に至らず 東京都の調査が実質的に終了

東京都立墨田産院(閉院)で1958年の出生直後、他の新生児と取り違えられた江蔵智さん(67)の出自に関する調査を巡り、都の担当者が3月30日、江蔵さんと面会し、「生みの親を見つけられなかった」とする報告書を手渡しました。担当者は「調査対象者にさらなる働きかけは難しいと考えている」と伝え、調査は実質的に終了することとなりました。

都の調査経緯と戸籍受付帳の活用

東京都は、調査を命じた昨年4月の東京地裁判決を受け、実親を捜す作業を開始しました。具体的には、江蔵さんと同時期に墨田区で生まれた人の情報が記録されている「戸籍受付帳」から、取り違えられた可能性がある人を絞り込み、対象者やその親に協力を求める文書を送るなどの取り組みを行ってきました。しかし、これらの努力にもかかわらず、実親の特定には至らなかったのです。

育ての母の無念と事件の背景

江蔵さんの育ての母は、実子に会えないまま、昨年93歳で亡くなりました。この事件は、戦後の医療制度や記録管理の課題を浮き彫りにしており、家族の絆とアイデンティティをめぐる深い悲しみを伴っています。都の報告書は、法的な調査の限界を示す一方で、個人の人生に与えた影響の大きさを改めて想起させます。

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今回の調査終了により、江蔵さんは長年の疑問に完全な答えを得られないまま、新たな局面を迎えることになります。社会全体として、過去の過ちから学び、同様の事例を防ぐための制度改善が求められるでしょう。

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