東京大学や国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)などの研究チームは21日、人工知能(AI)を活用して尿中のホルモン濃度から排卵日を高精度に予測するシステムを開発したと発表した。不妊治療の負担軽減や自然妊娠の可能性向上につながると期待される。
開発の背景
不妊治療では、排卵日を正確に把握することが重要だが、従来の方法では医師による超音波検査や血液検査が必要で、時間やコストがかかっていた。また、市販の排卵日予測キットは精度にばらつきがあり、ストレスを感じる女性も多かった。
研究チームは、尿中に含まれる黄体形成ホルモン(LH)とエストロゲン代謝物の濃度を測定し、AIがパターンを学習することで、排卵日の24時間前を高い精度で予測できるシステムを構築した。
システムの仕組み
システムは、専用の検査キットで採取した尿をスマートフォンアプリで撮影し、画像解析によりホルモン濃度を測定。そのデータをクラウド上のAIが分析し、排卵日を予測する。ユーザーはアプリで結果を確認でき、医師と共有することも可能だ。
研究チームは、20代から40代の女性50人を対象に実証実験を実施。AIの予測精度は従来のキットに比べて約20%向上し、排卵日の特定成功率は95%以上に達したという。
今後の展望
研究チームは、2027年をめどに実用化を目指す。システムが普及すれば、不妊治療の負担軽減だけでなく、自然妊娠を望むカップルのストレス軽減にもつながると期待される。
また、将来的には月経周期の異常やホルモンバランスの乱れを早期に発見するなど、女性の健康管理に役立つ可能性もあるとしている。



