特攻機不時着の島にサラダ油贈り続けた元隊員の遺志、後輩社員が慰霊祭初参加で継承
特攻機不時着の島にサラダ油贈り続けた元隊員の遺志を後輩社員が継承

太平洋戦争末期、沖縄へ向かう途中に特攻機が不時着した鹿児島県三島村・黒島で、恒久平和を願う慰霊祭が営まれました。今年は、元特攻隊員の江名武彦さん(川崎市、2019年に96歳で死去)がかつて勤務していた食品メーカー「昭和産業」(東京)の社員3人が初めて参列。江名さんが島民への感謝の気持ちを込めて約50年前に始めたサラダ油の贈り物を引き継いだ後輩社員たちは、平和への思いを新たにしました。

特攻機不時着の歴史

江名さんは1945年5月11日、海軍の神風特別攻撃隊「第三正気隊」の一員として、鹿児島県鹿屋市から出撃。エンジンの故障により黒島の赤鼻沖に不時着した後、機体から脱出して島へ上陸しました。この年、島には江名さんの機体を含む4機の特攻機が不時着。島民たちは深刻な食料不足の中でも、江名さんらを手厚くもてなしました。

慰霊祭の継続

戦後も島民との交流を続けた江名さんは、島の高台に観音像を建立し、慰霊祭を始めました。毎年のように島を訪れていましたが、2016年が最後の訪問となり、2019年12月13日に老衰で亡くなりました。生前、勤務先の商品であるサラダ油を島民に贈り続け、江名さんの死去後も同社は「社会貢献の一環として、離島で暮らす方々を支えたい」とその遺志を受け継ぎました。

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後輩社員の初参加

今月9日、同社九州支店(福岡市)の鈴木章浩支店長(51)ら3人が島を訪れ、慰霊祭に参列し、観音像に手を合わせました。その後、島民との交流会で鈴木支店長は「不時着した江名さんは当時21歳。同年代の息子がいるが、特攻出撃するのは想像もできない。本当に戦争とはむごいものだと感じた」と述べ、サラダ油のほか、ホットケーキミックスやお好み焼き粉を贈呈。サラダ油は村の竹島、硫黄島も含め計6か所の小中学校や公共施設向けに20箱(計160キロ)が届けられました。

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