長崎県新上五島町で、ウェブサイト「しまの授乳室」を運営し、町内の子育て支援情報を発信し続ける女性がいる。同町の会社員、市川千恵さん(32)だ。3年前に活動を始め、昨年分娩を休止した県上五島病院の問題にも向き合っている。今後、町内の介護施設に拠点を設けることになり、市川さんは「上五島での子育てが楽しいと思ってもらえるよう取り組んでいきたい」と語る。
授乳室の少なさに気づく
市川さんは同町南部の若松地区出身。大阪の会社で約3年勤めた後、2018年にUターンした。その後結婚し、21年11月に長女、24年5月に長男を出産。現在は子育てをしながら地元企業で働いている。
長女を出産した時、実家からスーパーがある地域まで車で往復1時間かかり、出かける際に町内の授乳室の情報がなくて困っていた。すると、そもそも町内に授乳室がある場所が少ないことを知った。
まちなか授乳室の取り組み
「赤ちゃん連れでも安心して外出できる街にしたい」と、企業や飲食店などに授乳室を設ける「まちなか授乳室」を考案し、町内を回って協力を呼びかけた。23年4月にウェブサイトとSNSを開設し、まちなか授乳室の紹介や町内のイベント情報の発信を始めた。
まちなか授乳室は一時約10か所に広がった。その後は活動の重点を移し、子どもと飲食店を訪れ、子ども用の椅子や食器の有無、ベビーカーでも入れるかなどの情報を紹介。昨年6月には子ども連れでも音楽演奏を楽しめるイベントを企画し、約500人を集めた。
今後の展望
市川さんは今後、町内の介護施設に拠点を設け、子育て支援の輪をさらに広げる予定だ。彼女は「上五島での子育てが楽しいと思ってもらえるよう、これからも取り組んでいきたい」と意気込みを語った。



