ネット通販大手「Amazon(アマゾン)」において、自社製品の偽造品が出品されたにもかかわらず適切に削除されなかったとして、正規品の販売会社2社がアマゾンジャパン(東京)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁(三木素子裁判長)で言い渡された。高裁は一審・東京地裁判決を変更し、原告の1社に対して約200万円を支払うようアマゾンジャパンに命じた。
一審判決は3500万円の支払いをアマゾンに命じていたが、高裁は賠償金額を大幅に減額した。原告は医療機器メーカーの「トライアンドイー」と販売会社「エクセルプラン」(いずれも神戸市)。トライ社は血中の酸素濃度を測定する機器「パルスオキシメーター」を製造し、エクセル社がアマゾンのサイトで販売していた。
問題の「相乗り出品」とは
問題となったのは、アマゾンで既に出品された商品と「同一の商品」を追加で出品する場合、同じページに集約されて表示される「相乗り出品」という仕組みだ。一審判決によると、2021年8月、トライ社が製造したパルスオキシメーターと酷似した別の商品がアマゾン上で出品された。相乗り出品により、正規品と偽造品が同じページに並んで表示される状態となった。
2社は「自社製品の約1割の価格で偽造品が売られている」としてアマゾンに削除を求めた。しかし、アマゾンは対応しなかったうえ、トライ社の正規品が偽造品よりも大幅に高かったことから、出品停止とした。
裁判所の判断
2社は、アマゾンが偽造品を削除するなどの対応を怠ったことで、自社の正規品の売り上げが減少したと主張。アマゾンには偽造品の出品を排除する義務があるなどとして、損害賠償を求めた。
2025年4月の一審判決は、不正な出品にどのような対策を講じるかはアマゾンに裁量があると指摘。販売資格などを事前に確認し、偽造品を排除する義務はアマゾンにはないと判断した。一方、具体的な損害の申告があった場合は対応する義務があるとしたうえで、アマゾンの対応は不十分だったと認定。エクセル社に3500万円を支払うようアマゾンに命じていた。
控訴審の東京高裁は、アマゾンの対応義務の範囲をより限定して解釈し、賠償額を大幅に減額した。判決では、アマゾンが偽造品の削除を怠ったことによる損害は限定的であると判断されたとみられる。



