2016年5月に米国のオバマ大統領(当時)が現職米大統領として初めて被爆地の広島を訪問し、「核兵器なき世界」を訴えてから27日で10年となった。しかし現在、ロシアのウクライナ侵攻や米国のイラン攻撃などで国際情勢は不安定化し、核兵器使用の脅威が現実味を帯びている。被爆者は「核兵器廃絶へ進むと思ったが、そうはならなかった」と落胆の声を漏らしている。
オバマ氏の広島訪問から10年
オバマ氏は2016年5月27日、広島を訪問し、原爆慰霊碑に献花した。原爆ドームを背に「われわれは歴史を直視する責任を共有している」と演説。広島で被爆した米兵捕虜を調査してきた被爆者森重昭さん(今年3月に88歳で死去)とオバマ氏が抱擁する姿は国内外で大きく報じられた。
被爆者の期待と現実
広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(81)は「謝罪はなくとも、来てもらうことに意味があると思っていた。その結果、核廃絶へ進むと期待していた」と振り返る。しかし10年が経ち、「核軍縮さえ進まず、いまだに米国の考えは変わらない」と無念さを語る。
国際社会では核兵器の脅威が再び高まっている。ロシアのウクライナ侵攻では核兵器使用の可能性が示唆され、米国もイラン攻撃などで軍事的緊張を高めている。核兵器廃絶への道のりは依然として遠く、被爆者の願いは実現していない。



