放置竹林を整備しメンマづくり「竹福連携」で地域課題解決へ 横浜竹林研究所・小林隆志さん
放置竹林整備でメンマづくり「竹福連携」横浜竹林研究所

神奈川県横浜市中区で営業するカフェ「こころぷれいす」の看板メニューは「メンマまぜそば」だ。ショーケースには、オリジナルのメンマがケーキと並んで陳列されている。

母の味を受け継ぐメンマ

メンマには深い思い入れがある。かつて母の美代子さんが営んでいた総菜店で、手作りのメンマが多くの客に愛されていた。2020年に妻の千秋さん(56)とともに開業したカフェで、母秘伝の味を後世に残そうと、まぜそばの具材として採用。すると、見事に評判を呼んだ。

放置竹林問題と出会い

その後間もなく、放置竹林で伐採した若い竹(幼竹)をメンマに加工し、竹林整備の促進を目指す全国組織「純国産メンマプロジェクト」(2017年発足)の存在を知った。興味が募り、2021年に開かれたプロジェクト主催の「メンマサミット」に参加した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

手入れが行き届かない竹林は生態系に悪影響を及ぼし、土砂災害の原因にもなると指摘され、「竹害」は社会問題となっている。「横浜も竹林が多い」と感じた小林さんは、このプロジェクトに共感し、加入。2023年には「横浜竹林研究所」(通称ハマチクラボ)を立ち上げた。

竹林でつながる地域コミュニティ

「横浜のような都市部では、人と人との関係が希薄だと言われます。竹林を活用し、人と地域をつなぎ、竹害だけでなく、さまざまな地域課題を住民自身が解決できるようにしたい。コミュニティーデザインだと考えています」と小林さんは語る。

4月から5月にかけて、ハマチクラボ理事で不動産企画プロデューサーの山本ルリさん(52)らとともに竹林へ向かう。自治会やサポーター、行政関係者らと協力し、高さ1.5~2メートルの幼竹を伐採。皮をむき、細かく切り、ゆでて塩漬けにする。伐採でも調理でも「幼竹の柔らかさにみんな驚く」。参加者は世代を問わず作業を楽しみ、軽く味付けした幼竹のおいしさに笑顔がこぼれる。

多面的な活動と「竹福連携」

伐採の繁忙期が過ぎると、保存しておいた幼竹を使って料理教室を開き、イベント会場でメンマを販売する。商品開発や竹炭づくりなどのワークショップを企画し、竹林整備を持続させるための体制づくりを提案するなど、多角的に知恵を絞っている。

特に力を入れたいのが、障害者の就労支援を目指す「竹福連携」だ。娘のこころさん(15)に発達障害があり、障害者への思いは強い。一連の作業は障害者にも取り組みやすく、すでに障害者支援施設の利用者らに作業を体験してもらっている。

こころさんは誰にも負けないくらい音楽が好きだという。「人はでこぼこです。仮に他より劣っているように見えても、強みを伸ばせばいい。誰でも得意なことは見つけられます。竹林整備でもそれができるのではないかと思います」と小林さん。

まぜそばと活動の共通点

まぜそばには、オリジナルメンマをはじめ13種類の具材がのる。おすすめの味わい方は、まずよく混ぜて食べる。半分になったらスープを注ぐ。最後に少しアロマオイルを加えて平らげる。多様な味が個性を主張しながらも、仲良く調和する。その姿は、ハマチクラボの活動と重なる。

ハマのメンマの広がり

ハマチクラボは横浜産の竹を使った「ハマのメンマ」を商品化している。小林さんが母の味を引き継いだ「オリジナル味」は甘さと辛さが絶妙に絡み合う。18区ごとに特徴ある商品も開発中で、金沢区「八味辣油味」、都筑区「椎茸トマト味」が誕生した。カフェ「こころぷれいす」では竹炭粉を練り込んだシフォンケーキも販売している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ