公益社団法人「墨田区シルバー人材センター」で発生した不正支出問題に関し、同センターは11日、会員向け説明会を開催し、内部調査の結果をまとめた報告書を公表した。この問題は、男性職員(当時)が自身のアルバイト先の業務をセンターの業務と偽り、会員に従事させた上で、その報酬の一部をセンターの経費から不正に支出していたものである。
報告書が明らかにした実態
報告書によれば、当該職員は職場への報告や連絡をせずに直接現場に向かい、業務後にそのまま帰宅する「直行・直帰」を繰り返していた。さらに、勤務時間中の私的活動や不透明な行動が常態化しており、特定の会員との間で土産物の受け取りや私的な手伝いの依頼も確認された。報告書は「公益法人職員としての倫理基準が曖昧になっていた」と指摘している。
内部牽制の欠如
また、センター会員が業務の報酬として受け取る「配分金」の額を職員が入力する際、会員の就業報告書との原本照合が徹底されておらず、担当者の裁量に依存した運用になっていたことも判明した。報告書は「出納業務の緊張感が欠けていた」とし、内部牽制が十分に機能せず、不正を見逃す要因となったと結論づけている。
再発防止策の導入
センターは再発防止に向け、業務日報制度や抜き打ち監査の導入、会員への匿名通報窓口の設置などを進める方針を示した。また、「透明な運営を徹底する」として、今後の再発防止に努める姿勢を強調している。
この問題は2月に発覚し、センターは内部調査後、3月に当該職員を懲戒解雇処分としていた。



