公正取引委員会は19日、北海道新幹線の延伸工事をめぐり、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで鉄道工事会社9社と発注元の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(横浜市)に立ち入り検査を開始した。関係者への取材で明らかになった。
談合の疑いと検査対象
公取委は、北海道新幹線の新函館北斗から札幌までの延伸区間(約212キロ)におけるレール敷設工事「軌道敷設工事」で、事前に受注企業を調整する談合が繰り返されたとみている。この工事は10工区に分割され、うち5工区で入札が完了。落札率は94~99%と高い水準だった。残る5工区についても業者間で調整が行われていた可能性があるという。
検査を受けたのは以下の9社:
- 三軌建設(福岡市)
- 大鉄工業(大阪市)
- 北海道軌道施設工業(札幌市)
- 広成建設(広島市)
- 名工建設(名古屋市)
- 仙建工業(仙台市)
- 九鉄工業(北九州市)
- ユニオン建設(東京都目黒区)
- 東鉄工業(東京都新宿区)
公取委は、機構を退職後にこれらの会社に再就職した社員がいることから、機構側の談合への関与の有無も調べる方針だ。
国家プロジェクトへの影響
北海道新幹線は新青森―新函館北斗間が2016年に開業し、2038年度末をめどに札幌まで延伸する計画。総事業費は最大約3.5兆円に上り、国や自治体、JRが負担する。公取委は、多額の税金が投入される国家プロジェクトで工費がつり上げられた疑いがあるとみて調査を進める。
機構の広報担当者は取材に対し、「公正取引委員会の調査に全面協力していく」と述べた。
過去の談合事件
公取委は北陸新幹線でも2013年、融雪設備工事で談合があったとして受注業者や機構を家宅捜索。業者側は罰金刑を受け、予定価格を漏らした機構の元部長が官製談合防止法違反で有罪判決を受けた。今回の事件はそれから11年後の再発となる。



