熊本・八代市新庁舎汚職事件 成松容疑者を逮捕、6000万円収賄疑い
八代市新庁舎汚職 成松容疑者を逮捕 6000万円収賄疑い

熊本県八代市の新庁舎建設工事をめぐり、特定の建設業者を入札で有利に扱うよう市に働きかけ、見返りに現金6000万円を受け取ったとして、元市議で議長も務めた成松由紀夫容疑者(54)があっせん収賄容疑で逮捕された。成松容疑者は自民党の元市議団長で、6期務めていた。

震災で計画加速、費用は倍以上に

新庁舎の建て替え計画は、2016年4月の熊本地震を機に加速した。老朽化していた旧庁舎が被災し使用不能となったためだ。推進派だった成松容疑者は議会で「一日も早い完成は市民の願い」と訴え、熱のこもった議論を展開していた。

当初14年に公表された計画では総事業費約80億円だったが、震災後、防災拠点としての機能強化が必要として基本設計が見直され、17年には162億円に膨らんだ。最終的な総事業費は171億円に達し、旧庁舎の2倍以上の延べ床面積約2万7500平方メートルとなった。

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議会で反対意見も

事業費の増大に対し、議会では反対意見が相次いだ。しかし成松容疑者は19年3月、「なぜ反対するのか。建設が遅れ、市民に迷惑をかける認識はあるのか」と反論していた。

19年9月、前田建設工業を中心とする共同事業体が工事を落札。成松容疑者は「完成が遅れることを心配していたが一安心した」と述べたが、捜査関係者によると、この時すでに入札評価基準を同社に有利にするよう市に働きかけていた疑いがある。

落札後も費用増、不正の疑い

落札後も設計変更や随意契約が重ねられ、約12億円が追加された。成松容疑者は前田建設工業の利益を増やすため、さらに市に働きかけたとされる。逮捕容疑はこれらの働きかけの見返りに現金を受け取ったというもの。

成松容疑者は4月の会見で「でっち上げだ」と否定していたが、熊本県警の捜査が進み逮捕に至った。

八代市は人口約12万人の県内第2の都市だが、この10年で人口は1割弱減少。新庁舎の総事業費171億円の大半は災害復旧事業債や合併特例債で賄われ、返済の多くは地方交付税で措置される。市民からは「豪華すぎる」との声も聞かれる。

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