福岡県は18日、2023年度から2025年度にかけて開催した講演会の謝礼金に関し、担当課が金額を独断で決定し、県の基準に合わせるために実際には存在しない準備時間を加算する不適切な処理を行っていたことを明らかにした。
不適切な謝礼の実態
問題が発覚したのは、人と動物の健康と環境の健全性を一体的に考える理念「ワンヘルス」を推進する県ワンヘルス総合推進課。同課によると、2023年度から2025年度までの計26回の講演会において、大学教授やNPO法人理事長など15人に対し、1万円から10万円、総額約128万7750円を支払った。
県が定める謝礼金の基準では、資料作成などの準備時間も対象となり、2023~2024年度は1時間あたり大学教授級で6000円。その後段階的に引き上げられ、2025年度には1万5400円となっている。
具体的な事例
ワンヘルス関連の講演では、課の判断で謝礼金を事前に決め、相手に提示。支払いの内訳には講演時間のほか、実際には行われていない打ち合わせや資料作成などの準備時間も計上していた。
2024年11月のイベントでは、次期世界獣医師会長としてワンヘルス普及に取り組む蔵内勇夫県議会議長に10万円で講演を依頼。この金額は、2023年度の「ワンヘルス国際フォーラム」に登壇した世界獣医師会長や海外大学の教授の謝礼金を参考にしたという。
また、2023年度から開始したワンヘルス関連の育成プログラムでは、大学教授級に一律5万円、講師級に1万~3万2500円で依頼し、いずれも謝礼を支払った。金額は「相場観」や「過去の実績」をもとに決定したと説明している。
基準額での講演が困難な実情
県の基準額で講演を依頼することが難しいケースがあったため、担当課が独自に金額を設定したとみられる。55分間の講演に対し、資料作成時間などを含めて「1000分」で計算し、10万円を支払った事例も確認されている。
福岡県は、このような不適切な処理が行われた原因を調査し、再発防止策を講じるとしている。



