青森県で最大震度5強を観測した地震の発生から20日で1カ月が経過した。津波注意報や北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表された福島県沿岸部では大きな被害はなく、避難所に身を寄せた住民も限られていた。しかし、障害者や高齢者など配慮が必要な人たちを受け入れる「福祉避難所」の開設を巡り、施設や行政などの間での連携不足の側面が見えてきた。いわき市での事例から、今後の課題を探る。
駐車場待機40分
津波注意報が発令された4月20日午後、いわき市にある県立いわき海浜自然の家は福祉避難所として開設された。しかし、実際に避難してきたのは、市内の障害者支援施設「東洋学園」の入所者と職員ら約50人。同園の職員は「避難所の開設連絡が遅れ、到着後も駐車場で40分以上待たされた」と振り返る。全員の避難には約2時間を要したという。
連携不足の実態
いわき市は災害時に福祉避難所を開設する協定を複数の施設と結んでいるが、今回の地震では迅速な開設が難しかった。市の担当者は「施設側との連絡体制が十分でなく、開設の判断が遅れた」と説明。また、福祉避難所の周知不足も課題で、避難が必要な障害者や高齢者が適切に情報を得られなかった可能性がある。
今後の課題
- 事前の連絡訓練の徹底
- 施設と行政の情報共有システムの構築
- 障害者や高齢者向けの避難情報の提供方法の改善
専門家は「福祉避難所は一般避難所と異なり、専門的なケアが必要な人を対象とする。開設手順や受け入れ態勢を平時から整備し、実践的な訓練を繰り返すことが重要だ」と指摘する。



