広島県が砂防ダムの整備計画に関連して約500万円を投じて製作した仏像模型2体のうち、1体の所在がつかめなくなっていることが明らかになった。横田美香知事は4月21日の定例会見で「詳細は確認中」と述べ、調査を進めているが、2体のうち1体が依然として見つかっていない。県は警察に相談しているものの、県の資産管理のあり方が問われる事態となっている。
製作の経緯と背景
県によると、広島県呉市内での砂防ダム整備計画に伴い、2021年度から2024年度にかけて測量や地質調査が実施された。この計画では、近くの寺院の敷地内に安置されていた仏像を移動する必要が生じ、その際に破損などのリスクに備えて3次元(3D)データを取得するため、2体の仏像模型が製作された。しかし、ダム計画の変更により模型の必要性がなくなったという。
寺院側の認識
寺院側は取材に対して、県から「仏像を移転させる必要があり、破損した場合に備えて3Dデータを取らせてほしい」と要請され、これを了承したと説明している。ただし、模型の製作については事前に知らされていなかったとしている。
模型の詳細と所在不明の経緯
県の説明によれば、模型は実物の6分の1の大きさで、高さが約40センチと約50センチの2体が製作された。2024年3月の時点では、両方の模型が県西部建設事務所呉支所の書庫で保管されていることが確認されていた。しかし、その後、約50センチの「風神像」の所在が分からなくなっている。もう1体の「焔摩天像」については、現在の保管場所について呉支所は「言えない」と回答している。
呉支所の過去の問題
呉支所では過去に、国の補助金を受けるために地権者との協議録を偽造する事件があった。その後の調査で、呉支所を含む県の建設事務所で64件の文書偽造が発覚し、国から約5000万円の補助金を不正に受給していたことが判明している。今回の模型所在不明も、資産管理のずさんさを浮き彫りにしている。
県は引き続き調査を進めるとともに、再発防止策を検討する方針だ。



