高市首相「旧姓単記」方針転換か パスポートや免許証は併記が必要と表明
高市首相「旧姓単記」転換 パスポートは併記必要と表明

旧姓単記から一転 高市首相が厳格書類での併記検討を表明

高市早苗首相は2026年3月2日の衆院予算委員会において、結婚後の旧姓のみを公的な証明書に記載する「旧姓単記」に関して、パスポートや運転免許証、マイナンバーカードなどの書類では「併記を求めるといった検討が当然必要になる」と述べました。この発言は、旧姓の通称使用の法制化を推進する中で、保守派らへの配慮を反映したものとみられています。

首相が指示した旧姓単記の基盤整備検討

高市首相は、第2次高市政権が発足した2月18日に、黄川田仁志男女共同参画担当相らに対し、「旧氏(姓)の使用拡大・周知を一層推し進めるとともに、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進める」ことを指示していました。現状では、結婚で姓を変えた人がパスポートや運転免許証、マイナンバーカード、住民票などに旧姓を記載するには、戸籍名との併記が必要であり、これによる不利益を指摘する声が上がっていました。

予算委での質疑応答と保守派の懸念

この日の予算委員会では、参政党の吉川里奈氏が、夫婦同姓を維持すべきだとの立場から質問を行いました。吉川氏は、「旧氏を単独で使用できる場面が広く認められれば、実質的には夫婦別氏、親子別氏に近い状況が生じるという懸念がある」と指摘し、「この点、高市内閣に期待を寄せた多くの国民が懸念を抱いている」と述べました。

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これに対し、高市首相は「単記を可能にすることで何か新しいリスクが生まれるということは考慮しなければならない」と応じ、パスポートなど「厳格な本人確認」に使用される書類において「併記を求めるといった検討、これが当然必要になると考えている」と明言しました。この発言は、旧姓単記の実現に向けた方針に修正を加える可能性を示唆しています。

通称使用法制化を巡る社会的背景と影響

旧姓の通称使用の法制化を巡っては、夫婦同姓の維持が前提とされているため、法案が成立すれば選択的夫婦別姓の導入に向けた政治的機運が失われる可能性があるとの懸念が根強くあります。旧姓単記が実現すれば、通称使用拡大の方針に一定の理解が広がる可能性があったものの、高市首相の今回の発言は、保守層への配慮から慎重な姿勢を打ち出した形です。

この問題は、ジェンダー平等や家族の在り方を議論する中で、以下のような点が注目されています:

  • 本人確認の厳格性:パスポートや運転免許証など、身分証明として重要な書類での旧姓単記が、詐欺やなりすましなどのリスクを高める恐れがあること。
  • 社会的受容性:夫婦同姓制度を維持しながら、旧姓使用を拡大するバランスが求められており、保守派と改革派の間で意見が分かれること。
  • 政策の整合性:高市首相が指示した基盤整備検討と、今回の併記必要論がどのように調整されるか、今後の動向が注目されること。

高市首相の発言は、旧姓単記を推進する一方で、実務的な課題や保守的な意見を考慮した現実的な対応を示したものと言えます。今後の法制化プロセスでは、このような細かい調整がさらに行われる可能性が高く、社会全体の議論を深める契機となるでしょう。

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