東邦大学と東京都東大和市は4月から、郵送による大腸がん検診の精度を確認する実証研究を開始した。大腸がんは年間15万人以上が罹患する部位別で最多のがんであり、早期発見が治療の鍵を握る。各自治体は検診を実施しているが、従来の「郵送方式」は夏場の郵便ポスト内などの高温環境下で、検体中のヘモグロビンが不安定になり正確な検査ができないリスクがあり、広く普及していなかった。
郵送検診の課題と新技術
現在主流の方法は、検体を医療機関などに直接持参する方式で、受診者の負担が大きい。郵送方式は企業による検診や西日本などの一部自治体で導入例があるものの、限定的だ。日本消化器がん検診学会のマニュアルでも「冬以外は行わないことが望ましい」と記載されている。今回の研究では、高温環境下でもヘモグロビンを一定期間安定して保つことができる最新の保存液を使用し、容器を満たすことでこの問題を解決する。
東大和市の実証研究の詳細
東大和市は東京都内でも受診率が低く、改善を目指してこの実証研究に乗り出した。対象は45歳、55歳、65歳の市民約3500人で、誕生月の前月に案内状が届く。スマートフォンでQRコードから申し込むと検査キットが自宅に届き、検体を投函すれば約2週間で結果が送られる仕組みだ。この取り組みにより、受診率の向上と早期発見率の増加が期待されている。



