神奈川県横浜市青葉区の横浜市民ギャラリーあざみ野が、認知症の家族と一緒に絵画を鑑賞しながら会話を楽しむ「対話型鑑賞」を身近に体験できるポスターを制作した。このポスターは、自宅の玄関やリビングなど、日常的に目にする場所に貼ることを想定しており、数量限定でギャラリーの2階事務室受付にて無料で配布されている。
ポスターの特徴と使い方
ポスターはB2サイズで、表面には画家・奈良美智氏の作品「春少女」が大きく印刷されている。この作品は、大きな目が印象的な少女を描いたもので、対話型鑑賞のきっかけとして最適だ。裏面には、鑑賞時に相手に投げかける質問例が掲載されている。例えば、「この子は何歳くらいに見えますか?」「優しそうですか、それとも悲しそうですか?」といった問いかけが紹介されている。さらに、「相手が言葉で返答しなくても、表情やしぐさの変化に注目しましょう」といったアドバイスも記載されており、初心者でも取り組みやすい内容となっている。
ギャラリーの取り組み
同ギャラリーは2022年から、認知症の人と芸術をつなげる活動に力を入れており、これまでに福祉施設を訪問して絵画鑑賞会を開催してきた。今回のポスター配布は、イベント時だけでなく、日常生活の中で多くの人に対話型鑑賞に親しんでもらう機会を提供することを目的としている。すでに近隣の図書館やケアプラザでも配布が始まっている。
担当学芸員の北川裕介さん(35歳)は、「絵をじっくり見つめるだけで、普段は出てこない記憶が呼び覚まされ、認知症の方から意外な反応が得られることがあります」と強調する。「ポスターでの鑑賞に慣れたら、ぜひギャラリーに足を運んで、実際の作品を前にした鑑賞にも挑戦してほしい」と来館を呼びかけている。
関連イベントの開催
5月24日午後2時から4時までは、全国の美術館などで対話型鑑賞を指導する講師を招き、今回のポスターを使った鑑賞のコツを学ぶイベント「アート+認知症『だれでもできる!やさしい美術鑑賞』」が開催される。対象は12歳以上で、定員20名。参加は無料で、ギャラリーのホームページから申し込みを受け付けている。



