岐阜薬科大、AIで薬の副作用を事前予測 医療ビッグデータ研究で個別化医療へ
岐阜薬科大、AIで薬の副作用を事前予測 医療ビッグデータ研究

岐阜薬科大学は、人工知能(AI)とビッグデータを駆使し、薬の副作用を事前に予測する画期的な研究を進めている。これまで副作用は発生後に対応するのが常識だったが、AI解析により事前にリスクを察知し、未然に防ぐ医療への転換を目指す。

研究の背景と目的

病院薬学研究室の吉村知哲教授(63)は、病院薬剤師として36年の現場経験を持つ。その経験から、「副作用が起きてから対応するのではなく、起きる前に防ぐ医療を実現したい」と語る。研究では、国内外の副作用報告データベース、レセプト(診療報酬明細書)データ、病院の電子カルテ情報を組み合わせて解析する。

データ活用の方法

「数を見るならレセプト、詳しく見るならカルテ」と吉村教授は説明する。それぞれのデータの強みを生かすことで、従来見逃されていた副作用の兆候を捉える可能性があるという。AIによる分析をさらに進め、患者ごとに「この薬を使うとリスクが高い」といった予測を実現し、減量や薬の変更といった判断材料を提供する。

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個別化医療への期待

従来は限られた症例では見えなかった傾向も、大規模データなら明らかになる。患者の年齢、併用薬、腎機能、肝機能などの条件を考慮した個別化医療への転換が期待される。ただし、吉村教授は「AIはあくまで判断材料の一つ」と強調する。「患者の生活や価値観まではデータでは分からない」ため、最終判断は薬剤師が行う。現場で培った視点を重ね合わせることで、より適切な医療につなげる。

抗がん剤での成果を目指す

まずは抗がん剤で成果を出したい考えだ。抗がん剤は副作用が出やすく個人差も大きいため、予測の意義が大きい。膨大なデータの整理や検証が必要だが、「一つ一つの薬で成果を積み上げていくしかない」と吉村教授は語る。副作用を未然に防ぐ新たな医療の実現に向け、研究は着実に進んでいる。

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