厚生労働省は27日、社会保障審議会の分科会を開催し、2027年度の介護報酬改定に向けた議論を正式に開始しました。議論の中心となるのは、介護職員の賃上げや人材確保、物価高騰への対応などです。介護報酬を引き上げれば、サービスの質が向上する一方で、利用者の自己負担や保険料といった国民負担が増加するというジレンマがあります。政府は年内に改定率を決定する方針です。
介護報酬改定の背景と仕組み
介護報酬は、介護サービス事業者が利用者に提供したサービスの対価として受け取る金額であり、国は原則として3年に1度見直しを行っています。ただし、2026年度については、処遇改善を前倒しで支援するため、6月に臨時改定がすでに決まっています。今回の議論は、2027年度の本格的な改定に向けたものです。
厚労省が示した主な論点
27日の分科会では、厚労省が以下の3点を論点として提示しました。
- 人口減少に応じたサービス提供体制の構築:減少する人口に対応し、効率的かつ質の高いサービス提供を目指す。
- 介護人材確保に向けた処遇改善:他産業との賃金格差を縮め、人材を引きつけられる環境づくり。
- 制度の持続可能性を確保する報酬の在り方:長期的に制度を維持できるよう、適切な報酬水準を検討。
今後、事業者団体への聞き取りを実施し、秋ごろから本格的な議論を進める予定です。
委員から出た意見
分科会の委員からは、次のような意見が出されました。
- 「他産業との賃金差を縮めないと、人材確保が困難だ」
- 「現役世代にとって、これ以上の保険料増加は耐えられない。メリハリのある評価が必要」
- 「事業者の経営基盤強化への支援を求める声もあった」
これらの意見を踏まえ、厚労省は年内に改定率を決定する方針です。介護報酬改定は、高齢化が進む日本社会において重要な政策課題であり、今後の動向が注目されます。



