貧困問題の優れた報道を表彰 東京新聞取材班などが貧困ジャーナリズム賞を受賞
貧困問題に関する優れた報道を表彰する一般社団法人「反貧困ネットワーク」(代表理事・宇都宮健児弁護士)は3月7日、2026年度の貧困ジャーナリズム大賞の受賞者を発表しました。今年の貧困ジャーナリズム賞には、東京新聞のキャンペーン報道「スキマバイトの隙間」取材班をはじめとする12件の報道が選ばれました。
スキマバイトの実態を追及した東京新聞取材班
東京新聞の「スキマバイトの隙間」取材班は、スマートフォン1台で履歴書も面接もなく仕事ができる「スキマバイト」の実態を記者自らが体験取材。日雇い派遣規制を回避しようとする企業によるグレーな求人状況を明らかにし、業界団体や厚生労働省による改善・是正措置につなげた点が高く評価されました。
表彰式では、取材班を代表してデジタル編集部の小川慎一デスクと中村真暁記者が出席し、表彰状を受け取りました。両記者は取材を通じて得た知見と、貧困問題に対する社会的な関心の重要性を改めて強調しました。
特別賞には桐生市の生活保護問題を追及した書籍
特別賞には、群馬県桐生市が生活保護制度の違法・不適切な運用を続けていた問題に迫った書籍「桐生市事件」(地平社)の著者である小松田健一・出版部次長(東京新聞元前橋支局長)と、フリージャーナリストの小林美穂子さんが選ばれました。
この書籍は、地方自治体における生活保護行政の課題を詳細に検証し、制度の適正な運用に向けた提言を行った点が評価されました。小松田次長と小林さんは、長期間にわたる調査と丁寧な取材によって、行政の透明性と責任の重要性を浮き彫りにしました。
大賞はTansa取材班の国葬文書隠蔽報道
貧困ジャーナリズム大賞には、調査報道グループ「Tansa取材班」が受賞しました。同取材班は、安倍晋三元首相の国葬に関する文書隠蔽問題を告発する一連のキャンペーン報道を展開し、情報公開と説明責任の重要性を社会に問いかけました。
反貧困ネットワークは、これらの受賞作品が貧困問題の多面的な側面を掘り下げ、社会的な議論を喚起した点を高く評価しています。同団体は今後も、貧困問題に対する質の高い報道を促進し、社会的な関心を高める活動を続けていく方針です。
今回の表彰は、報道機関が社会の課題に真摯に向き合い、問題解決に向けた道筋を示すことの重要性を改めて示すものとなりました。受賞者たちは、今後も貧困問題をはじめとする社会的課題の報道に取り組む決意を新たにしています。



