生活保護基準引き下げ「違法」判決、仙台高裁が市に取り消し命令
生活保護基準引き下げ「違法」、仙台高裁が市に取り消し命令

生活保護基準引き下げ「違法」、仙台高裁が市に取り消し命令

仙台高等裁判所は2026年2月25日、国が2013年から2015年にかけて実施した生活保護の基準額引き下げを「違法」と判断し、仙台市に対し、同市在住の30代女性に対する生活保護費減額決定の取り消しを命じる判決を言い渡した。倉沢守春裁判長による控訴審判決は、一審で原告の請求を退けた2022年の判決を覆す内容となった。

憲法25条の生存権保障に違反と判断

原告女性は、生活保護基準額の引き下げが生存権を保障した憲法25条に違反するなどとして、生活保護費減額決定の取り消しと損害賠償を求めていた。判決では、消費実態を反映した「ゆがみ調整」については容認したものの、物価変動率を指標とした「デフレ調整」を用いた厚生労働大臣の判断について「過程及び手続きには過誤、欠落があった」と指摘し、引き下げを違法とした。

この判断は、同種訴訟の上告審で昨年6月に最高裁判所が示した判断に沿った内容であり、司法の一貫した姿勢を示すものとなった。ただし、国の賠償責任については認められなかった。

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原告弁護団「行政の誤りをただす司法の役割」

判決言い渡し後、原告弁護団は仙台市内で記者会見を開いた。鈴木裕美団長は「行政、政治の誤った行いをただせるのは司法しかないという思いで闘い、提訴から10年余りの年月を経てようやく勝訴した。本当にうれしく思う」と語り、司法の役割を強調した。

太田伸二弁護士は「生活水準の最低限を定める生活保護基準が守られるべきという判決。そのリレーを仙台でもつなげたことには本当に大きな意味があった」と述べ、判決の意義を説明した。

厚労省の新基準減額に反発、さらなる闘いへ

一方で、弁護団は厚生労働省が新基準で再び生活保護費を削減すると発表したことに触れ、審査請求などを検討していることを明らかにした。原告女性は「勝って兜の緒を締めよ、と思って闘い続ける」とコメントし、今後の闘いへの決意を示した。

仙台市は「判決内容を精査の上、国など関係各方面とも協議し、今後の対応を検討する」としている。この判決は、生活保護制度をめぐる行政と司法の緊張関係を浮き彫りにし、今後の社会保障政策に影響を与える可能性が高い。

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