高知県南国市でケースワーカー2人が生活保護業務を怠る、5年間で139世帯に影響
高知県南国市は2月12日、市福祉事務所に勤務するケースワーカー2人が、過去5年間にわたり生活保護受給世帯への適切な対応を怠っていたことを明らかにしました。この問題により、約2割にあたる139世帯が影響を受け、受給者の死亡発見が半年間遅れた事例も発生しています。
業務怠慢の詳細と組織的な問題
市の発表によると、職務を怠ったケースワーカーは2人で、1人は2021年度から74世帯、もう1人(2025年春に異動)は2022年度から72世帯の業務を適切に処理していませんでした。このうち7世帯は両方が関与していたとされています。
南国市では、生活保護受給者の実態に合わせて月1回から年1回までの5段階に分けて訪問・面談を実施していますが、2人はこの訪問や業務引き継ぎを怠っていました。その結果、受給者の死亡が半年間発見されなかった事例も確認されています。
平山耕三市長は記者会見で「業務への意識が低く、組織内でも連携が取れていなかった」と述べ、謝罪しました。市は今年度中に退職者1人を含む関係者8人を処分する方針です。
具体的な問題点と金銭的な影響
問題は単なる訪問怠慢にとどまりません。ケースワーカーは指導・監督役である査察指導員に記録を提出せず、援助方針も策定していなかったため、以下のような金銭的な問題が発生しました。
- 保護費の過支給:2件(合計約9万5,000円)
- 保護費の未支給:4件(合計約11万4,000円)
さらに、高知市に転出した10世帯の業務移管を放置したまま、同市まで面談に出向くという非効率な対応も行われていました。
発覚から対応までの経緯
2人の事務処理の遅れが査察指導員によって発覚したのは2023年9月のことでした。指導員は改善を繰り返し指示しましたが、状況は変わらず、福祉事務所長の天羽庸泰氏が問題を認識したのは2025年2月にまで遅れました。
市は2人が自力で処理するのは困難と判断し、他部署からの応援も得て対応を進め、ようやく今年1月末に業務を完了させました。興味深いことに、2人は業務の遅れについて具体的な理由を説明していないとされています。
再発防止策と今後の対応
南国市はこの問題を受けて、再発防止策を講じることを表明しました。具体的には、面談実施の状況や事務作業の進行具合を定期的に把握し、職場内での情報共有を強化する方針です。
この事例は、生活保護制度を支える現場における業務管理の重要性と、組織的なチェック体制の必要性を改めて浮き彫りにしました。市は今後、類似の問題が発生しないよう体制整備を進めるとしています。



