宇都宮市で「子育てタクシー」事業者が倍増、6社体制で市内全域をカバー
栃木県宇都宮市において、妊婦や子どもの移動を支援する「子育てタクシー」を運行する事業者が、この4月から4社増加し、合計6社体制となった。これにより、市内全域でより迅速かつスムーズな配車が実現し、子育て世帯の移動ニーズに応える体制が強化された。
事業者拡大で利便性向上、出発式で関係者が意気込み
6社合同の出発式が4月17日に開催され、関係者は「子育て世帯の頼れる存在となるよう、本格的なスタートを切りたい」と力強く宣言した。子育てタクシーは、従来のタクシー利用時に十分なサポートが受けられなかった利用者の声をきっかけに始まった取り組みで、宇都宮市では2023年9月に「宮っ子タクシー」としてサービスを開始。当初は1社のみだったが、昨年4月に1社が加わり、今回さらに4社が新たに参入した。
これまで2社はいずれも市中心部の事業者であったため、周辺地域の利用者がサービスを利用する際に不便が生じるケースもあった。しかし、今回の事業者拡大により、市内全域で利用しやすくなる見込みで、地域格差の解消が期待されている。
認定ドライバー数が倍増、養成講座で専門知識を習得
子育てタクシーの運転手は、全国子育てタクシー協会(横浜市)から認定を受けており、宇都宮市内では計49人に増加。前年度からほぼ倍増した背景には、事業者数の拡大に加え、市が養成講座の受講料を補助し、認定ドライバーの育成を後押ししてきたことがある。
養成講座では、子どもの救命救急に関する知識を学ぶほか、専用ジャケットを着用した妊婦体験や保育現場での実習を通じて、適切な接し方を習得する。これにより、利用者に安心感を提供できる専門性の高いドライバーが増えている。
利用者から好評の声、登録数は3,418人に達する
出発式では、市内に住む主婦の宮川茉優さん(32)と、チャイルドシートに座った長男の彰理くん(3)がデモ乗車を体験。茉優さんは「普段は一人で子どもを乗せているので、手助けしてくれるタクシーだと楽だと感じた。子どもだけでも利用できるので、もう少し大きくなって習い事を始めたら便利だと思う」と感想を語った。
市内では3月末までの累計で3,418人が登録し、2,256件の利用実績がある。登録数では、妊婦を陣痛時に産院まで運ぶ「こうのとりコース」が最も多く、利用数では年少から中学生を送迎する「ひよこコース」がトップ。その他、親子で通院や買い物に行く「かんがるーコース」も用意されている。
利用方法と料金体系、事前登録が必要
子育てタクシーを利用するには、LINEアカウント「子ども乗り合いタクシー案内所」からの事前登録が必須。料金はメーター運賃と迎車料金(500円)に加え、認定乗務員指定料300円やチャイルドシート使用料500円が別途かかる仕組みだ。
このサービス拡大は、少子化対策や子育て支援を推進する地域の取り組みとして注目を集めており、今後も利用者の増加が予想される。宇都宮市では、子育て世帯の生活を支えるインフラとして、さらなる充実を図っていく方針を示している。



