消費税「維持」か「一時引き下げ」か 世論の見方は
朝日新聞が5月16、17日に実施した全国電話世論調査で、消費税の税率を「今のまま維持する方がよい」と答えた人が43%に達し、「一時的にでも引き下げる方がよい」の41%を上回った。物価高が国民生活を直撃する中、減税への期待と財政懸念が交錯する複雑な世論が浮き彫りとなった。
調査では「消費税の税率を、今のまま維持する方がよいか、一時的にでも引き下げる方がよいか」と質問。結果は「維持」43%、「引き下げ」41%、「どちらとも言えない・答えない」16%だった。
物価高の中での意外な結果
2月の衆院選では与野党のほとんどが消費減税に積極姿勢を示し、その後も中東情勢の混迷などで物価高が続いている。こうした状況を踏まえ、減税支持がより大きくリードすると予想されたが、実際には拮抗する結果となった。
特に「維持」派の43%は、過去の同様の調査と比較しても高い水準で、消費税の恒久化や財政再建の必要性を重視する層の根強さがうかがえる。一方、「引き下げ」派も41%と多く、生活苦に直結する物価高への不満が背景にあるとみられる。
世代・性別で分かれる傾向
年代別では、若年層ほど「引き下げ」支持が高く、60代以上では「維持」が過半数を占めた。また、男性は「維持」が45%、「引き下げ」が39%だったのに対し、女性は「維持」41%、「引き下げ」43%と拮抗し、女性の方が減税志向がやや強い結果となった。
専門家は「物価高による生活不安が広がる中でも、将来の社会保障費増大を見据えて現状維持を選ぶ層が一定数いる。政府は短期的な減税と中長期的な財政健全化のバランスをどう取るか、丁寧な説明が求められる」と指摘する。
高市早苗首相はこれまで消費減税に積極的な姿勢を示してきたが、今回の調査結果は、必ずしも国民全体の総意とは言えないことを示している。今後の政策運営に影響を与える可能性がある。



