神栖市長選の再点検作業が茨城県選管で本格始動
昨年11月に実施された茨城県神栖市長選挙で、現職と新人候補の得票数が完全に並び、くじ引きによって当落が決定した異例の事態から約4カ月。茨城県選挙管理委員会は3月21日、県庁において全3万3667票の再点検作業に正式に着手した。この再審査は、くじ引きで落選した前職の石田進氏陣営からの審査申し立てを受けて実施されるもので、4月以降に県選管が最終的な当落判断を下す見通しとなっている。
慎重かつ正確な票の選別作業が進行中
再点検初日となった21日には、有効か無効かの判断に検討を要する票を抽出する「下準備」が行われた。県選管の職員約30名が、石田氏陣営と当選した木内敏之氏陣営からそれぞれ4名ずつ派遣された立会人の監視下で作業を進めた。職員たちは時折意見を交わしながら、公職選挙法や過去の判例を参照し、慎重に票を選別していった。
抽出された票の具体的な数や内容については非公表とされているが、県選管担当者は「スピード感を持ちながらも、正確さを第一に作業を進めていく」と強調。審査結果を公表する際には、問題となった票の実物を提示するとともに、判断に至った理由も詳細に説明する方針を示した。
石田氏は審査結果の受け入れを表明
くじ引きで落選した石田進氏本人も立会人の一人として作業現場に立ち会い、再点検の過程を見守った。石田氏は「県選管の公正な審査結果を受け、この件の着地点としたい」と述べ、審査結果を受け入れる意向を明確にしている。県選管による審査結果が優先されることから、仮に不服があれば東京高等裁判所への提訴も可能だが、現時点では石田氏側から異議を唱える動きは見られない。
この問題を巡っては、既に神栖市選挙管理委員会が全票の再点検を実施している。しかし、その結果でも両候補の得票数は1万6724票で同数のまま変化がなく、くじ引きによる当選決定の経緯に疑問が残る形となっていた。県選管による今回の再審査が、最終的な決着をもたらすかどうかに注目が集まっている。
作業環境を確保するため、報道陣への公開は冒頭のみに限定された。県選管は今後、抽出した票の有効・無効判断を進め、来月以降に審査結果を公表する予定だ。地方選挙における稀なケースとして、そのプロセスと結論が全国的に注視されることになりそうだ。



