小泉進次郎防衛相は31日(日本時間同日)、訪問先のシンガポールでフィリピンのテオドロ国防相と会談し、海上自衛隊の中古護衛艦の早期輸出を目指す方針を確認した。両氏は東シナ海や南シナ海で軍事活動を活発化させる中国の抑止を念頭に、防衛面での連携を強化する見通しだ。
中古護衛艦輸出の背景
日本政府は4月に防衛装備移転三原則とその運用指針を改定し、殺傷能力のある武器の輸出を解禁した。フィリピンと協議中の護衛艦「あぶくま型」は、この新たな枠組みのもとで初めての武器輸出案件となる可能性がある。同型艦は海上自衛隊で退役したもので、フィリピン海軍の能力向上に貢献すると期待されている。
フィリピンの関心と今後の展開
フィリピン側は、中古護衛艦に加えて、陸上自衛隊のミサイルシステムにも関心を示している。具体的には「03式中距離地対空誘導弾(中SAM)」や「88式地対艦誘導弾」が対象となっている。これらの装備は、フィリピンの防空能力や対艦能力を大幅に向上させると見られる。
小泉防衛相は会談で、日米間のミサイル共同生産加速や日韓の捜索救助訓練再開など、地域の安全保障協力を多角的に進める姿勢も示した。また、日豪ニュージーランドとの護衛艦輸出連携や協定締結検討も表明しており、日本は同志国との防衛協力を一層強化する方針だ。
今回の会談は、日本の防衛装備移転政策の転換点を示すとともに、中国の海洋進出に対抗するための国際協力の重要性を改めて浮き彫りにした。今後の具体的な輸出スケジュールや契約内容が注目される。



