日米5500億ドル投資計画、第1号案件協議開始 採算性確保と相互発展を重視
日米5500億ドル投資計画、第1号案件協議開始 (17.02.2026)

日米5500億ドル投資計画、第1号案件の協議が本格化

日米両政府は、米国向け5500億ドル(約84兆円)に上る大規模投資計画において、第1号案件となるプロジェクトの内容について、詰めの協議に入った。この計画は、日米関税交渉において関税率引き下げの代償として日本側が約束したものであり、採算性を徹底的に確保しながら、双方の発展に寄与する事業を選定することが極めて重要だ。

経済安保強化とサプライチェーン強靱化が目的

赤沢経済産業大臣は先週訪米し、ラトニック米商務長官と協議を加速させることで一致。3月19日に予定される日米首脳会談までの合意を目指している。背景には、経済安全保障の強化と、安全保障環境が厳しさを増す中での同盟国とのサプライチェーン(供給網)強靱化への強い意図がある。日本企業が米国製造業の再興に協力することは、その核心的な狙いの一つだ。

欧州連合(EU)をはじめとする各国・地域も同様に米国への投資を約束しており、日本の第1号案件は今後のモデルケースとなる可能性が高い。

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有力候補は3事業、各々の戦略的意義

第1号案件として、現在3つの事業が有力視されている。

  • ガス火力発電所事業:米国ではAI(人工知能)向けデータセンターの建設が急ピッチで進み、電力需要の大幅な伸びが見込まれている。日本企業はガスタービン製造に強みを持ち、建設的な協力関係の構築が期待される。
  • 原油積み出し港の整備:米国は原油輸出用の大型タンカーが利用できる港湾施設の建設を急いでいる。日本の協力が対日原油輸出の増加につながれば、エネルギー安全保障の強化にも大きく貢献するだろう。
  • 人工ダイヤモンド製造工場の新設:半導体製造に不可欠な人工ダイヤモンドの生産拠点を日米両国で安定的に確保し、強い競争力を持つ中国に対抗することを目指す。

資金枠組みと慎重な事業選定の必要性

各プロジェクトの資金面は日本側が負担し、国際協力銀行(JBIC)などが出資・融資・保証を行う枠組みが想定されている。しかし、巨額の損失が発生すれば最終的には国民の税金が失われることになり、重い負担となるリスクがある。そのため、日米双方が協力し、採算性・事業の将来性・市場環境などを慎重に見極めることが不可欠だ。

JBICの前年度末の出融資残高は15兆円を超えるが、これほど巨額の事業を手掛けた経験は乏しい。人員や体制の拡充も必須の課題となる。

米側の動向に注意を払いながら協議を推進

トランプ大統領は韓国に対し、投資計画の遅れに不満を持ち関税引き上げを通告している。米側の出方は予測が難しいため、日本は注意深く協議を進める必要がある。採算性を確保しつつ、互いの発展につながる事業を選定することが、この大規模投資計画の成功の鍵を握っている。

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