熊本県、過去最大規模の予算案を発表 半導体集積と地域活性化に注力
熊本県は2月10日、2026年度一般会計当初予算案を発表しました。総額は9353億3600万円に上り、過去最大規模を記録。2月補正予算と合わせ、2月17日開会予定の県議会定例会に提案されます。木村知事は、昨年10月に公表した予算編成方針で119億円の財源不足が見込まれていましたが、事業の見直しにより17億円を捻出。半導体関連産業の集積など、他県にはない地方創生の兆しがあると強調し、必要なインフラ整備への投資や人材育成に果敢に挑む姿勢を示しました。
歳入・歳出の詳細と財政状況
当初予算の総額は、2025年度当初と比較して10.7%(905億円)増加しました。歳入面では、地方消費税や県民税の増加により、県税が8.6%(140億円)増の1779億円となりました。一方、県債は8.4%(69億円)増の889億円で、借金の残高を示す県債残高は2025年度末時点で9600億円を見込んでいます。
歳出では、投資的経費が8.3%(147億円)増の1930億円となりました。昨年8月の記録的大雨などによる災害復旧事業費の増加が影響しています。また、国が進める高校授業料の実質無償化や小学校の給食費無償化にかかる経費が105億円増加し、退職手当の増加などの人件費も上昇。これにより、一般行政経費は12.6%(684億円)増の6129億円となりました。
財政調整用基金は152億円となる見込みですが、このうち100億円は国が創設した地域未来基金費を積み増した分であり、実質的には52億円となる見通しです。
半導体関連産業への重点投資
半導体関連企業が集積する「セミコンテクノパーク」(合志市、菊陽町)周辺の渋滞解消に向けて、右折レーンの延伸や道路の拡幅といった整備事業に24億1000万円を充てました。さらに、熊本市中心部から高速道路までを10分、熊本空港までを20分で結ぶ「10分・20分構想」のルート案を検討する調査費などに1億9900万円を計上。車から公共交通への転換を促す取り組みを行う自治体や事業者に対する補助事業にも1000万円を盛り込みました。
県立大学では、「半導体学部(仮称)」の2027年4月開設に向けた準備を進めており、運営費交付金や教員採用にかかる人件費、研究設備費などに計18億6800万円を計上しました。半導体関連企業の進出に伴う農地減少などの問題に対応するため、飼料畑の造成やふん尿を堆肥化する技術開発などに取り組み、畜産営農の継続を支援する関連費に3000万円を計上しています。
人材育成事業では、半導体分野に関心を持つ中高生向けに福岡県と連携した取り組みや、県内大学生による台湾での企業訪問・現地学生との交流推進事業にそれぞれ400万円を充て、国際的な視野を養う施策を強化しました。
教育分野への積極的な支援
来年度から計画される小学校の給食費無償化では、市町村への補助費に52億4200万円を充て、半額を国からの交付金でまかないます。高校授業料の実質無償化には132億1700万円を計上しました。また、部活動の地域移行を推進するため、地域クラブの活動費や経済的な困窮世帯への支援費、指導者の育成などにかかる費用として1億3500万円を盛り込み、教育環境の整備に力を入れています。