大阪府が過去最大規模の予算案を発表、万博レガシー活用で成長戦略を加速
大阪府は2月18日、2026年度一般会計当初予算案を発表しました。総額は3兆9216億円と過去最大を記録し、大阪・関西万博の遺産(レガシー)を活用した成長産業の創出や都市魅力の向上に重点を置いています。同時に、物価高対策などを通じて府民生活や事業者の活動を下支えする施策も充実させました。この予算案は、2月24日に開会する府議会に提出される予定です。
吉村知事が「副首都実現加速予算」と命名、万博後の飛躍を目指す
吉村知事は記者会見で、今回の予算を「副首都実現加速予算」と命名し、「万博を機にビジネスや文化、外交分野で多くの世界との交流が生まれた。レガシーを生かした更なる飛躍につなげたい」と述べました。産業分野では、万博で披露された新技術の商用化に向けた海外企業とのビジネス交流促進に1億1500万円を計上。また、「人間洗濯機」など介護現場での新技術導入支援に19億4100万円を盛り込み、イノベーション推進を図ります。
観光公害対策と物価高対策で持続可能な発展を支援
訪日客の受け入れに伴うオーバーツーリズム(観光公害)対策として、ゴミ処理や清掃を担う市町村への支援に計10億円を充てました。物価高対策には103億9100万円を計上し、中小企業に対して賃上げの原資確保に向けた補助金の支給や、販路開拓のための商談会出展支援を実施します。少子化対策にも前年度の1.5倍となる51億600万円を投入し、無痛分娩を実施する医療機関の急変対応研修経費補助(420万円)など、具体的な施策を強化しています。
予算規模拡大の背景と財政状況
予算規模が過去最大となった背景には、歳出面で人件費や社会保障費の増加に加え、中小企業への事業資金貸付に必要な預託金の増加が挙げられます。歳入では、府税収入が前年度比4.4%増の1兆7001億円と見込まれ、2年連続で過去最大を更新しました。府債発行額は前年度比21.1%増の1333億円ですが、純粋な借金にあたる府債残高は2兆3868億円で、2007年度以降で最少となっています。収支不足の495億円は、財政調整基金の取り崩しで穴埋めする方針です。
教育と警察関連の重点事業
教育関係では、不登校対策として政令市以外の全小中学校でのスクールカウンセラー配置費用に10億6900万円を計上し、小学校への配置を1校あたり年12回から35回に増やします。府立高校の広報強化には4億4600万円を充て、日本語指導が必要な生徒への母語通訳派遣や環境整備に1億3000万円を確保。私立高校の授業料無償化は、国の補助も合わせて635億2900万円となり、新年度から全学年で所得制限がなくなります。また、橋下徹知事時代の2008年度に始まった私立小中学校への運営補助金カットを廃止し、1人あたりの補助単価を小学校で33万1750円(前年度比6万7315円増)としました。
府警は、今年11月に岸和田市と泉佐野市で開催される全国豊かな海づくり大会への対応として1億2400万円を計上し、要人警護や雑踏対策の資機材整備に充てます。さらに、「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」対策では、暗号資産に転換された犯罪収益の口座間移動を追跡する専用ツール導入に2000万円を計上し、治安維持を強化します。



