イスラエル軍がイラン核施設を空爆、革命防衛隊は近隣諸国に報復攻撃を開始
イスラエル軍は3月27日、イラン中部アラクの重水炉と中部ヤズドのウラン抽出施設などの核施設を空爆したと正式に発表しました。この攻撃は、イラン南部のブシェール原子力発電所や各地の電力関連施設にも及び、中東地域の緊張を一気に高めています。
核施設への空爆とイランの反応
アラクの施設は、2015年の核合意で兵器級プルトニウムの生産を防ぐため設計変更が決められており、ヤズドはウラン濃縮の原材料が生産されている場所です。イスラエル側は、これらの施設が核兵器開発に利用されていると強く主張していますが、攻撃後の敷地外での放射線レベル上昇は報告されていません。
イラン原子力庁は同日、ブシェール原発の敷地への攻撃を認めつつも、発電所本体に被害はなかったと発表しました。また、イラン国営通信によれば、中部イスファハンの発電所2か所と製鋼所も攻撃を受け、首都テヘランでは3月28日未明に変電所とみられる施設が襲撃され、周辺地区が約2時間にわたって停電する事態となりました。
革命防衛隊の報復攻撃と地域への拡大
精鋭軍事組織「革命防衛隊」は、イスラエル軍の空爆に対し、報復としてイスラエルや米軍基地がある近隣諸国への攻撃を開始しました。サウジアラビアでは米兵12人が負傷し、ロイター通信は3月27日から28日にかけて、バーレーン、アラブ首長国連邦、クウェート、オマーンなどが攻撃されたと伝えています。
さらに、イエメンの反政府勢力フーシは3月28日、イランを支援して参戦し、イスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したと発表しました。これにより、中東情勢はより複雑化し、地域全体の安全保障が脅かされる状況となっています。
トランプ大統領の攻撃中止延長表明との矛盾
この一連の攻撃は、トランプ米大統領が3月26日にイランの発電所やエネルギー施設への攻撃中止を10日間延長すると表明した直後に行われました。イランのアッバス・アラグチ外相は3月27日、SNSに「米大統領の期限設定と矛盾する」と投稿し、米国の姿勢に対する不信感を露わにしています。
現在、中東地域では、核開発をめぐる対立が軍事衝突へと発展する危険性が高まっており、国際社会の注目が集まっています。今後の動向によっては、さらなる報復や紛争の拡大が懸念される状況です。



