大阪府公安委員会は21日までに、指定暴力団「十代目酒梅(さかうめ)組」(大阪市西成区)について、暴力団対策法に基づく再指定を見送ることを決めた。勢力が著しく弱まったことが理由とみられる。大阪府警が同日、発表した。
再指定見送りの背景
1992年の暴力団対策法施行以来、再指定の見送りは大阪府内で初めてで、全国では2例目となる。酒梅組は今月25日に指定期限を迎える。捜査4課によると、同組は伝統的に賭博を資金源としてきたが、1993年に指定暴力団に指定されて以降、取り締まりの強化や社会情勢の変化により資金源が枯渇したという。
暴力団対策法の要件
暴対法では、指定暴力団の要件として、①威力を団員が資金獲得などに利用することを実質上の目的とすること、②犯罪歴保有者の割合が一般集団より高いこと、③代表者などの統制下に階層的に構成された団体であること――のすべてに該当する必要がある。府警は、酒梅組の勢力が衰退し活動規模が極めて小さくなったため、「暴対法上の規制を行う必要性が認められなくなった」と説明した。
酒梅組の歴史と衰退
酒梅組は明治時代末期に博徒集団として大阪で組織され、当初は約2000人いたと伝えられる。1993年時点の構成員数は約450人だったが、今年4月時点で約10人にまで減少した。
再指定見送りの影響
再指定が見送られたことで、暴対法に基づく組員への不当要求や事務所使用の中止命令、対立抗争時の特定抗争指定はできなくなる。一方、府暴力団排除条例の適用は継続され、府警は酒梅組に対する警戒を続ける方針だ。
捜査4課幹部は「指定が外れても、酒梅組が暴力団であることに変わりはない。引き続き取り締まりを強化し、組織の壊滅を目指す」と述べた。
全国で2例目
指定暴力団の再指定見送りは、1997年に兵庫県公安委員会が「二代目大日本平和会」(神戸市)の再指定を見送って以来、全国で2例目。酒梅組の指定が外れると、府内に主たる事務所を置く指定暴力団は「二代目東組」(大阪市西成区)と「絆会」(大阪府寝屋川市)の2団体となる。



