ゼレンスキー大統領がサウジアラビアを訪問、対イラン無人機防衛で協力強化を目指す
ウクライナのゼレンスキー大統領は3月26日、サウジアラビアを公式訪問しました。この訪問は、米国とイスラエルとの交戦状態にあるイランによる無人機攻撃の脅威に直面する同国との間で、安全保障協力を進めることを主な目的としています。ウクライナ政府関係者によれば、両国高官による協議が予定されており、無人機防衛を含む二国間の安全保障協力の強化が焦点となります。
イランの無人機攻撃と地域情勢の緊迫化
イランは、米国とイスラエルからの攻撃に対する報復として、サウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸諸国に所在する米軍基地やエネルギー関連施設に対して、シャヘドなどの無人機を用いた反撃を繰り返しており、被害が拡大しています。この状況は、地域全体の安全保障環境を著しく悪化させています。
ウクライナの無人機防衛経験を活用した支援策
ウクライナは、ロシアによる侵攻においてシャヘド無人機を多用された経験から、迎撃用無人機を駆使して大半の攻撃を防いできました。こうした実戦で培われたノウハウを生かし、ウクライナは現在、湾岸諸国への支援に乗り出しています。ゼレンスキー大統領によると、米イスラエルとイランの交戦が本格化した2月末以降、ウクライナは無人機対策の専門家200人以上をサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)などに派遣しています。
迎撃用無人機の輸出と防空システムのミサイル供与を模索
さらに、ウクライナは迎撃用無人機の輸出も積極的に検討しており、これに見返りとして、自国で不足している防空システム「パトリオット」用のミサイル供与を引き出したい考えです。この動きは、ウクライナが自国の防衛技術を外交カードとして活用し、国際的な安全保障協力の枠組みを拡大しようとする戦略を示しています。
サウジアラビアの複雑な外交バランス
一方、サウジアラビアはロシアとの関係も維持しており、今回のゼレンスキー大統領の訪問は、同国が多角的な外交を展開する中での一環と見られます。この訪問を通じて、ウクライナとサウジアラビアの間で具体的な協力プロジェクトが進展するかが注目されます。地域の緊張緩和と安全保障の強化に向けた動きが、今後の国際情勢に与える影響も大きいでしょう。



