イラン、ホルムズ海峡の通過料徴収に向け新法草案を完成 来週にも本会議上程へ
イランの保守強硬派メディアであるファルス通信は3月25日、国会の民生委員会がホルムズ海峡の通過料を徴収するための新法草案をほぼ完成させたと報じました。この草案は、来週にも適法性などの審査を受けた上で、本会議に上程される見通しです。イラン政府は、この動きを通じてホルムズ海峡の支配権を制度的に確立する方針を明確にしています。
ホルムズ海峡の安全航行を巡る不透明な状況
ホルムズ海峡は、世界の石油輸送の要衝として知られ、その安全航行を巡っては長らく不透明な点が指摘されてきました。これまで、イランの軍や政府高官が個別に異なる見解を示すことが多く、一部では200万ドル(約3億2000万円)の通過料が徴収されたとの情報も流れるなど、混乱が生じていました。こうした背景から、新法による制度的枠組みの整備が急務とされていたのです。
イラン外務省の声明と調整済み船舶の明らか化
イラン外務省は3月22日、ホルムズ海峡の通過に関する声明を発表しました。それによると、米国とイスラエルの船籍を持つ船舶、およびこれらの国に関係する船舶など、イランと敵対する国以外の船舶については、イラン当局との調整を経て海峡を通過できるとしています。さらに、アッバス・アラグチ外相は3月25日、中国、ロシア、パキスタン、インドなどの船舶が既にイランと調整を行い、同海峡を通過したことを明らかにしました。この発表は、新法施行前の段階から、特定の国々との実務的な調整が進んでいることを示唆しています。
新法草案の意義と今後の展開
新法草案の完成は、イランがホルムズ海峡における自国の権益を強化する重要な一歩です。通過料の徴収を法的に定めることで、国際的な航行ルールに自国の主張を組み込むことを目指していると見られます。来週の本会議上程後は、国会での審議が本格化し、中東情勢や国際海事法に与える影響が注目されます。特に、米国やイスラエルを中心とする西側諸国との緊張が高まる可能性も指摘されており、今後の動向には注意が必要です。



