イラン弾道ミサイルがイスラエル南部を直撃、住宅街に甚大な被害
【アラド(イスラエル南部)=福島利之】イランが発射した弾道ミサイルが21日夜、イスラエル南部の都市アラドとディモナに着弾し、住宅街に壊滅的な被害をもたらした。22日、現地に入った記者のルポによると、地面には巨大なクレーターが形成され、周囲の建物がことごとく破壊される惨状が広がっている。
アラドの住宅街で直撃、超正統派住民に多数の負傷者
アラドの住宅街では、空き地に弾道ミサイルが直撃してできた大きな穴が確認された。周辺の5階建て集合住宅は完全に崩壊し、屋内のベッドや家財道具が外から丸見えになるなど、爆発の規模の大きさを物語っていた。住民の多くはユダヤ教の戒律を厳格に守る超正統派の家族で、地下の防空壕に避難しなかった115人が負傷した。家のガラスが割れたヤフーダ・ハレルさん(52)は、「死者が出なかったことが奇跡だ」と語り、衝撃を隠せない様子だった。
ディモナでも同様の被害、核施設を狙った攻撃か
ディモナでも、集合住宅地の中庭に大きな穴が開き、周辺の住宅や民家のコンクリート壁が崩落した。この一帯では60人が負傷し、病院当局によると、両地域での負傷者は合計175人に上った。ディモナの南約13キロメートルの砂漠には核施設があるとされ、「公然の秘密」とされている。イランのミサイルはこの施設を狙ったものとみられ、近くの2か所に着弾した可能性が高い。
イスラエル軍が迎撃失敗を認め、ネタニヤフ首相がイランを非難
イスラエル軍のオリバー・ラフォウッチ報道官は22日、現場での取材に対し、「迎撃がうまくいかず、住宅地に弾道ミサイルが直撃した」と述べ、迎撃の失敗を認めた。アラドの現場を訪れたベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「イランは全世界を危険にさらしている」と主張し、イランの攻撃を強く非難した。今回の攻撃は、21日にイラン中部のウラン濃縮施設が攻撃されたことへの報復措置とみられている。
この事件は、中東情勢の緊迫化を浮き彫りにしており、国際社会の注目を集めている。被害の詳細や今後の対応について、さらなる調査が進められる見込みだ。



