イラン攻撃で緊迫する中東情勢 識者が分析する戦闘の行方と世界的影響
米国とイスライエルは2026年2月28日、共同軍事作戦を開始し、イランへの攻撃を実行しました。この攻撃により、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師をはじめ、多数の体制幹部が殺害されました。当初、戦闘の見通しは4~5週間とされていましたが、状況は二転三転し、経済的影響も含めて世界に不安が広がっています。現在の状況と今後の展望について、複数の識者が詳細な分析を提供しました。
除去作業に月単位の時間 機雷の脅威が深刻
元統合幕僚長の河野克俊氏は、イランが最大約6000個の機雷を保有している可能性を指摘しました。海中で気付かれにくい機雷は、軍事力が劣る国にとって使い勝手が良く、漁船や飛行機から落下させて敷設することも可能です。このため、除去作業には月単位の時間がかかると予想され、戦闘の長期化が懸念されています。
戦闘長期化で米国に打撃 中東の地政学的変容
キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問の宮家邦彦氏は、中東の戦略地図が1979年のイラン・イスラム革命を機に変化したと分析します。従来のイスラエル対アラブという対立軸から、シーア派のペルシャ(イラン)対スンニ派のアラブとイスラエルという新たな構図に塗り替わってきました。戦闘が長期化すれば、米国にも大きな打撃が及ぶ可能性があります。
ホルムズ海峡封鎖の可能性 国際社会を巻き込む戦略
国立民族学博物館准教授の黒田賢治氏は、イランが米国とイスラエルから再攻撃しないという保証を得られるまで、ホルムズ海峡の封鎖と湾岸諸国への攻撃を続けるだろうと予測します。これは国際社会を巻き込み、停戦に持ち込むことを目指す戦略であり、世界経済への影響が避けられません。
新指導者モジタバ・ハメネイ師の強権統治
東京大学教授(国際政治学)の鈴木一人氏は、イランの新たな最高指導者にモジタバ・ハメネイ師が選出された背景を説明します。死亡したアリ・ハメネイ師の路線を継続し、米国に対抗する意思を示すとともに、体制が維持されていることを国内外に強調する目的もあると指摘します。これにより、統治の強権化が進む可能性があります。
米国内政の手詰まりが攻撃の背景に
国際経済学者の竹森俊平氏は、2月28日の米国のイラン攻撃が、内政の手詰まりへのトランプ流打開策ではなかったかと分析します。関税問題やFRB人事の停滞など、五つの事件がもたらした国内政治の行き詰まりが、外交的な強硬策を促した可能性を示唆しています。
識者たちの分析を通じて、イラン攻撃が単なる軍事作戦を超え、中東全体の地政学的バランスを揺るがし、世界経済に深刻な影響を与える可能性が浮き彫りになりました。今後の展開には、国際社会の対応が鍵を握ると言えるでしょう。



