イラン大統領「自衛の道しかなかった」と報復攻撃を釈明、近隣諸国は「一線超えた」と反発
イラン大統領が報復攻撃を釈明、近隣諸国は反発

イラン大統領が報復攻撃を「自衛」と釈明、近隣諸国は強い反発

【ドバイ=吉形祐司】イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は4日、米国とイスラエルに対する報復攻撃について正式に釈明し、「自衛の道しかなかった」と説明しました。同時に、近隣諸国の指導者に向けて中東の団結を呼びかける声明を発表し、地域の平和は域内各国によって守られるべきだと訴えています。

「各国の主権を尊重」と団結呼びかけも、近隣諸国は敵意募らす

ペゼシュキアン大統領は声明の中で、「各国の主権を尊重する。地域の平和は域内の各国によって守られるべきだと信じる」と強調しました。これは、湾岸諸国の民間施設にも及んだイランの報復攻撃に対する釈明の形とみられています。大統領は今回の戦闘について、「回避を試みたが、自衛の道しかなかった」と述べ、報復攻撃が米軍やイスラエルを標的にしていることを示唆しました。

しかし、近隣諸国はイランへの敵意を強めており、カタール外務省報道官は3日、イランから報復攻撃の事前通知はなかったと発表しました。同報道官は、「イランの攻撃が越えてはならない一線を越えており、ただではすまない」と報復を示唆し、4日にはイランのスパイ2人の逮捕を発表するなど、緊張が高まっています。

イラン軍は「米国とイスラエル以外に敵意はない」と明言

一方、イラン軍報道官は4日、イスラエル軍がレバノンのイラン大使館を攻撃した場合、「イランは、世界中のイスラエル大使館を標的とする」と警告する声明を出しました。これは、イスラエル軍がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘を再開したことに対するけん制とみられます。

この声明では、「米国とイスラエルを除き、他国に敵意はなく、戦闘を起こす気もない」と明言し、アラブ諸国からの敵意を和らげたい意向を示しています。イランは、米国とイスラエルの軍事力で劣勢に立たされる中、地域の支持を得ようとする戦略を取っていると分析されています。

ペゼシュキアン大統領の釈明にもかかわらず、近隣諸国からの反発は根強く、中東情勢は一層複雑化しています。イランの報復攻撃が地域の安定に与える影響は大きく、今後の動向が注目されます。