トランプ大統領、イラン新体制に「最悪のシナリオ」を懸念
米国のトランプ大統領は3日、イランの新体制を巡り、反米思想の強硬派が台頭する「最悪のシナリオ」に言及した。これは、米軍などの空爆で死亡したイラン最高指導者アリ・ハメネイ師の後継問題を背景にした発言である。
後継候補の死亡で展望描けず
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、イランの今後の体制について、「我々が考えていた人物のほとんどは死んでしまった。別のグループはいるが、彼らも死んでいる可能性がある」と悔やんだ。さらに、「最悪のシナリオは前任者のような悪い人物が権力を握ることだ。我々は望んでいない」と率直に語り、意中の後継候補が空爆に巻き込まれて死亡したことで、現時点では軍事作戦後の展望を描けていない可能性を示唆した。
過去の失敗と理想の事例
トランプ氏の頭をよぎるのは、2003年のイラク戦争後の統治失敗だ。当時、米国はイラクの既存勢力を解体して国家建設を試みた結果、国は混乱し、イスラム過激派組織「イスラム国」の台頭を招いた。一方、トランプ氏が理想とするのがベネズエラの例である。反米左派ニコラス・マドゥロ大統領を武力で排除した後、副大統領だった人物と関係を構築し、体制を維持したまま政権のコントロールに成功している。
トランプ氏は、イランを率いる次期指導者も現体制内から選ぶのが適切だとし、「人気のある人物がいるならその人が適任だ。より穏健な人物もいる」と語ったが、具体名は挙げなかった。米国亡命中の反体制派レザ・パーレビ元皇太子については、将来の指導者としては「あまり考えていない」と述べた。
イラン側の動きとイスラエルの警告
一方、イランのファルス通信は3日、最高指導者の後任を選出する「専門家会議」(定数88)の協議が最終段階に入っており、近日中に結論が出る見通しだとする情報筋の話を伝えた。これに関し、イスラエルのカッツ国防相は4日、「イランの政権によって任命される指導者は明確な暗殺対象となる」と警告する声明を出した。
イラン中部のイスラム教シーア派聖地コムでは3日、専門家会議の建物が攻撃を受け、2日にも首都テヘランの事務所が攻撃されるなど、緊張が高まっている。これらの動きは、中東情勢の不確実性を浮き彫りにしている。
