米国とイランの間で戦闘終結に向けて暫定合意された「覚書」を巡り、トランプ大統領は29日、最終判断を下すための会議を開催したが、結論には至らなかった。イラン側も覚書は確定していないとの認識を示しており、合意が実現するかどうかは不透明な情勢となっている。
トランプ大統領、会議で結論出せず
米ホワイトハウス当局者は読売新聞の取材に対し、会議は約2時間に及んだと説明。その上で「大統領は米国にとって有益であり、自身の『レッドライン』(譲れない一線)を越えない合意のみを結ぶ」と語った。米紙ニューヨーク・タイムズは政府高官の話として、「大統領は結論を出さなかった」と伝えている。
覚書の内容とトランプ氏の主張
米政府関係者によると、覚書は60日間の停戦延長と、その期間中にイランの核問題について協議する内容で、トランプ氏の承認待ちとなっている。トランプ氏は29日、自身のSNSに「イランが保有する高濃縮ウランについて、イランや国際原子力機関(IAEA)と連携し、廃棄する」などと投稿。同日中に会議を開き、覚書の可否について「最終判断を下す」と述べていた。
イラン側は否定、認識に隔たり
一方、イランのファルス通信は29日、覚書に高濃縮ウランの廃棄などは含まれないとし、トランプ氏の主張を「歪曲だ」と批判。関係者の話として、トランプ氏の主張には「事実とうそが混ざっている」と伝えた。また、イランのタスニム通信などは同日、外務省のエスマイル・バガイ報道官の話として、「米国とやりとりが続いている。覚書は確定していない」と報じている。
このように、米イラン間では覚書の内容や現状認識に隔たりがあり、今後の交渉の行方は予断を許さない状況が続いている。



