レバノン南部で医療従事者51人が死亡 WHOが国際法違反を強く非難
レバノン南部におけるイスラエル軍と親イラン民兵組織ヒズボラの交戦が激化する中、医療従事者への攻撃が相次いでいる。世界保健機関(WHO)は3月28日、交戦再開後の2日間で医療従事者の死者が51人に達したと発表し、国際人道法に違反する行為として強く非難した。
救急隊員9人が攻撃により死亡 医療活動中の惨事
AP通信によると、28日にはレバノン南部でイスラエル軍の攻撃により救急隊員9人が死亡した。イスラエル軍はヒズボラ掃討を掲げて侵攻を拡大しており、民間人や医療関係者への影響が深刻化している。
WHOのテドロス事務局長は、死傷した救急隊員がレバノンの五つの村で医療活動中に攻撃を受けたと説明。「医療施設への攻撃が相次ぎ、レバノン南部での医療提供に深刻な支障を来している」とX(旧ツイッター)で訴えた。同地域では医療インフラが崩壊の危機に瀕しており、住民への緊急医療が困難な状況が続いている。
ヒズボラ系列メディア記者らも犠牲に 死者数は1189人に
ロイター通信は同日、レバノン南部でイスラエル軍が車両を攻撃し、ヒズボラ系列メディアの記者ら3人が死亡したと報じた。イスラエル軍はうち1人について「ヒズボラの精鋭部隊に所属していた」と主張しているが、独立した検証は行われていない。
レバノンの国営通信によると、交戦によるレバノン側の死者は1189人、負傷者は3427人に上る。この数字には民間人や医療従事者も含まれており、人的被害の規模が拡大している実態が浮き彫りになっている。
国際社会の懸念が高まる中、人道危機が深刻化
WHOは医療従事者への攻撃が国際人道法に明らかに違反すると指摘し、以下の点を強調した:
- 医療施設とスタッフは紛争下でも保護されるべきである
- 攻撃により地域の医療システムが崩壊の危機にある
- 緊急の人道支援と国際的な監視が必要である
イスラエル軍はヒズボラの軍事目標を標的としていると主張しているが、民間インフラや医療関係者への被害が拡大していることから、攻撃の方法と範囲について国際的な批判が強まっている。レバノン南部では継続的な砲撃と空爆により、住民の避難が進まず、医療アクセスが極度に制限される事態が発生している。
今回の報告は、紛争地域における医療の中立性と保護の重要性を改めて浮き彫りにした。国際社会は即時の停戦と人道回廊の設置を求める声を強めており、今後の対応が注目される。



