米国、中国への最恵国待遇撤廃の影響調査を開始
米国際貿易委員会(ITC)は2月26日、中国に対して他国・地域と同等の貿易条件を保障する「最恵国待遇」を取り消した場合の影響を調査すると発表しました。この措置が撤廃されれば、中国からの輸入品に課される税率が大幅に上昇する可能性があり、中国側が米国の動きに強く反発する恐れもあります。
調査の目的と公表時期
調査は、中国への最恵国待遇を撤廃した際に、米国経済や商品価格、部品調達などにどのような影響が生じるかを分析することを目的としています。関税措置に直接結びつくものではありませんが、米大手法律事務所によると、調査結果は不公正な貿易慣行がある国・地域に制裁関税を課す「通商法301条」などの措置を導入する際の検討材料になる可能性があると指摘されています。
調査結果は、8月21日までに公表される予定です。また、ITCは安全保障に関連する製品に限り、5年間で段階的に関税を導入する代替案も検討する方針です。
最恵国待遇の背景と現状
最恵国待遇は、貿易相手国を平等に扱うことを定めた世界貿易機関(WTO)協定の基本原則の一つです。米議会は2000年、中国を恒久的に最恵国待遇として扱う法案を可決・成立させ、現在も継続しています。しかし、トランプ前大統領は昨年の大統領選で中国の待遇取り消しを掲げており、今回の調査はその動きを反映したものと見られています。
米国では、追加関税を除いた待遇国への基礎税率は約3%に設定されています。最恵国待遇から除外されると、商品によって基礎税率が数十%に跳ね上がる可能性があり、現在、対象国はロシアや北朝鮮などに限られています。
経済への波及影響と懸念
最恵国待遇の撤廃が現実化した場合、以下のような影響が予想されます:
- 中国からの輸入品の価格上昇により、米国内の消費者物価が高騰する可能性。
- 部品調達の混乱やサプライチェーンの断絶が生じ、製造業に打撃を与える恐れ。
- 中国側の報復措置として、米国製品への関税引き上げや貿易制限が実施されるリスク。
この調査は、米中貿易摩擦の新たな局面を象徴する動きであり、今後の国際経済情勢に大きな影響を及ぼすことが懸念されています。関係者は、調査結果を注視しながら、慎重な対応が求められるでしょう。



