米「相互関税」違法判断で英政府が期待表明、商工会議所は不透明感を指摘
ロンドン発 – トランプ米政権が導入した「相互関税」が違法と判断されたことを受け、英国政府は2026年2月20日、「英国に課されている相互関税は世界で最も低く、いかなる状況においても米国との特権的な貿易関係は継続すると期待している」との公式コメントを発表しました。
英国政府の対応と今後の展望
英国政府は、この判決について「米政権と緊密に協力し、この判決が英国や世界全体の関税構造にどのような影響を及ぼすかを詳細に把握する」と述べています。さらに、判決の詳細を精査した上で、英国企業に対する継続的な支援を提供する方針を明確に示しました。政府関係者は、両国間の長年にわたる経済的結びつきを強調し、貿易摩擦が生じた場合でも、外交的対話を通じて解決を図る姿勢を打ち出しています。
商工会議所からの懸念の声
一方、英国商工会議所の貿易政策責任者であるウィリアム・ベイン氏は、この決定について「米国大統領の関税権限に関する法的な明確化には寄与したものの、ビジネス環境における不透明感をほとんど解消していない」と厳しい見解を示しました。ベイン氏は、企業が直面する具体的な課題として、以下の点を挙げています。
- 今後の関税政策の予測が困難であること
- 貿易協定の見通しが不確実であること
- 国際的なサプライチェーンへの影響が懸念されること
彼は、政府に対し、より迅速かつ透明性の高い情報提供を求めることで、企業の計画策定を支援する必要性を訴えています。
国際的な文脈と今後の展開
この判決は、米国の貿易政策をめぐる国際的な議論に新たな展開をもたらしました。英国政府のコメントは、米国との二国間関係を維持しつつ、多角的な貿易体制の安定を図る意向を反映しています。専門家は、今後の動向として、以下の点に注目しています。
- 米国政府の対応と関税政策の見直し
- 英国を含む同盟国との協議の進展
- 世界貿易機関(WTO)を中心とした国際的な枠組みの役割
今回の事態は、貿易をめぐる不確実性が継続する中で、各国がどのように協調と自国利益のバランスを取るかを試すケースとなると予想されます。英国政府と商工会議所の見解の相違は、政策決定者と実務者との間の溝を浮き彫りにしており、今後の対話の重要性を強調しています。



