米通商法301条発動へ調査開始、コメ・水産物も対象に不公正貿易に関税検討
米通商代表部(USTR)のグリア代表は2月25日、不公正な貿易慣行のある国や地域に対して制裁関税を課す「通商法301条」の発動に向けた調査などの手続きを近く開始する意向を示しました。 調査対象には、コメや水産物も含まれることが明らかになっており、米政権が貿易政策を強化する動きが注目されています。
違法判断された相互関税に代替措置、122条による追加関税を発動
米政権は、「相互関税」などに対して連邦最高裁判所から違法判断が出されたことを受け、代替措置として2月24日に「通商法122条」に基づく10%の追加関税を発動しました。 しかし、この措置は世界一律の課税を条件としており、判決前から税率が変動する国や地域があるほか、発動期間も150日に限定されています。
これに対し、301条に基づく制裁関税には税率に上限がなく、4年間の期限を延長することも可能です。 ただし、実際に発動するには事前調査が必要で、相手国との協議や公聴会開催などの手続きを経なければなりません。 米政府は過去にもこの手法を採用しており、第1次トランプ政権では中国に対して301条に基づく関税を発動し、バイデン前政権も中国製電気自動車(EV)に100%の関税を課して現在まで継続しています。
トランプ大統領が一般教書演説で関税政策に言及、グリア氏が301条を指摘
トランプ米大統領は今月24日の一般教書演説で、今後の関税政策について「手続きは複雑だが、より強固な形になる可能性がある」と述べました。 グリア氏は、これが301条を指していると解説しており、米政権が長期的な貿易戦略を模索していることがうかがえます。
グリア氏は今回、市場に混乱を及ぼす過剰生産を行っている国や地域、コメや水産物に過度な補助金を出している政府などを問題視する考えを示しました。 懸念が広がっているのは東南アジア諸国で、USTRは2025年版の報告書で、タイなどが1次産品などの輸入を制限していると指摘しています。 また、米中摩擦を懸念した企業がベトナムなどからの輸入を増やし、米国側の貿易赤字が膨らんでいる現状も背景にあります。
日本への影響は限定的だが、調査対象に加わる懸念は残る
今回、グリア氏は日本には言及していませんが、122条に基づく追加関税の期限が切れると日本の関税負担は軽減されるため、調査対象に加えられる懸念は完全にはぬぐえていません。 米政権の動向は、今後の国際貿易環境に大きな影響を与える可能性があり、各国の対応が注目されます。
この動きは、米国が不公正貿易対策を強化する中で、より柔軟で持続可能な関税措置を求める姿勢を反映しています。 調査が進むにつれ、対象国や具体的な措置の詳細が明らかになる見込みです。



