ドナルド・トランプ前米大統領は28日、自身のソーシャルメディアで、米国が核実験を再開する可能性に言及した。同氏は「米国は他国に先んじるため、核実験の再開を検討すべきだ」と述べ、核抑止力の優位性維持を強調した。この発言は、国際的な核実験禁止の流れに反するものとして、国内外から懸念の声が上がっている。
背景と意図
トランプ氏は、中国やロシアなどの核戦力増強に対抗するため、米国も新たな核実験を実施し、技術的優位を確保する必要があると主張。同氏は在任中、核兵器の近代化を推進してきたが、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准には消極的だった。今回の示唆は、2024年大統領選での再選を視野に入れた発言とみられ、支持者へのアピールを狙った可能性がある。
国際的な反応
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は声明で「核実験の再開は国際的な軍縮努力を損なう」と警告。ロシア外務省も「挑発的だ」と非難した。一方、中国外務省は「米国は核兵器の透明性を高めるべきだ」と述べ、自制を求めた。核実験禁止を求める国際NGOも強い懸念を示している。
専門家の見解
核戦略の専門家は、トランプ氏の発言は現実的な政策というより、政治的なレトリックだと指摘。実際に核実験を再開すれば、CTBT体制の崩壊や核拡散リスクの増大を招く可能性があると警告する。また、米国は既にコンピューターシミュレーションなどで核兵器の信頼性を維持しており、実際の実験は不要との意見もある。
今後の展望
バイデン政権は、トランプ氏の発言に対して公式なコメントを避けているが、核実験再開には否定的とみられる。2024年の大統領選に向け、核政策が争点の一つとなる可能性がある。国際社会は、米国が核実験モラトリアムを維持するよう求めている。



