被爆者と国連事務次長が会談、NPT体制の維持へ期待感
【ニューヨーク共同】日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の被爆者らは29日、米ニューヨークの国連本部で、国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長と会談した。会談では、核兵器不拡散条約(NPT)の再検討会議を目前に控え、核軍縮をめぐる国際的な議論の進展について意見が交わされた。
中満氏は、今回のNPT再検討会議でも最終文書を採択できなければ、NPT体制の「空洞化」が始まるという危機感が加盟国の間で広く共有されていると指摘。その上で、議論が実質的に前進することへの期待感を表明した。NPTは核兵器の拡散防止と軍縮の基盤として重要な役割を果たしてきたが、近年は加盟国間の意見の隔たりが大きく、合意形成が困難な状況が続いている。
被団協事務局長の浜住治郎さん(80)は会談後の取材に対し、現在はNPT体制の存続を左右する分岐点にあると強調。中満氏ら国連側に対し、「最も困難な時期ではあるが、何とか踏ん張ってほしい」と述べ、核兵器廃絶に向けた強い決意を求めた。
被爆者団体は、核兵器の非人道性を世界に訴え続けており、今回の会談でも被爆の実体験を伝えたとみられる。核軍縮の停滞が懸念される中、被爆者らの声が国際社会にどのような影響を与えるか注目される。



