ウクライナのミシェンコ外務副大臣は27日、ニューヨークで開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議で演説し、核兵器を保有するロシアがウクライナに侵攻し、原子力発電所を攻撃しているとして、「NPTの基礎を損なっている」と強く批判した。同氏は、ロシアの侵略的行為に歯止めをかけるためには、国際社会による「断固たる行動」が不可欠だと訴えた。
ブダペスト覚書の約束と裏切り
ミシェンコ氏は演説の中で、ウクライナが冷戦終結後に国内に残存する核兵器を放棄する代わりに、米国、英国、ロシアがウクライナの主権と領土を尊重し、武力行使を控えることを約束した「ブダペスト覚書」を交わした経緯を説明。しかし、ロシアがその約束を破って侵攻したことは、核軍縮を進める国々に対して「安全を保証しないとのシグナル」を送ることになり、NPT体制を弱体化させると警鐘を鳴らした。
チェルノブイリ原発事故から40年
さらにミシェンコ氏は、40年前に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故について、「原子力事故の広範な影響を力強く思い起こさせる悲劇だ」と指摘。ロシアが同原発をドローンで攻撃するなど、ウクライナが現在も原子力リスクにさらされ続けていると訴えた。ウクライナは、ロシアの占拠下にある南部の原発についても懸念を表明しており、同国大統領も27日に会見で同様の問題を取り上げている。
ロシアのウクライナ侵攻を巡っては、前線での兵士の飢餓問題が画像とともに物議を醸し、ウクライナ軍の責任者が更迭されるなど、混乱が続いている。また、高市首相は27日、防衛力の抜本強化を表明し、継戦能力や核抑止についても議論する方針を示した。一方、北朝鮮では派兵記念館が完工し、金正恩氏がロシア国防相らと血盟を誇示するなど、国際社会の緊張が高まっている。



