欧州連合(EU)は、他人の同意を得ずに性的な画像を生成する人工知能(AI)システムについて、年内にEU域内での流通を禁止する方針を固めた。EU加盟国と欧州議会は7日、この措置で合意しており、今後正式な承認手続きを経て実施される見通しだ。
背景と問題点
近年、生成AI技術の急速な進歩により、実在する個人の顔を合成した性的画像が交流サイト(SNS)上に無断で投稿される被害が世界各地で報告されている。こうした行為は、被害者のプライバシーや尊厳を著しく損なうものであり、各国政府が深刻な問題として認識している。EUは世界に先駆けて厳格な規制に踏み切ることで、国際的なルール強化の流れを加速させる狙いがある。
規制の具体的内容
新たな規制では、特定可能な個人の性的部位や性的行為を、同意なしに描写するAIシステムの提供が禁止される。対象となるのは、画像生成AIシステムそのものだけでなく、関連するサービスやプラットフォームも含まれる見通しだ。EUは、AIシステムを提供する企業に対し、2026年12月2日までに自社システムを規制に適合させるよう求める方針である。
今後の展望
EUの決定は、AI技術の倫理的な利用を促進する重要な一歩と評価されている。一方で、規制の実効性を確保するためには、加盟国間での厳格な監視体制や罰則の整備が不可欠となる。また、世界中の企業がEU市場に製品を提供する場合、この規制を遵守する必要があり、グローバルな影響が予想される。EUは今後、他のデジタル規制との整合性を図りながら、AIに関する包括的な法的枠組みの構築を進める方針だ。



