2026年5月5日、アルメニアの首都エレバンで、同国と欧州連合(EU)による初の首脳会合が開催された。アルメニアのパシニャン首相、EUのコスタ大統領、欧州委員会のフォンデアライエン委員長が出席し、経済協力や安全保障分野での連携強化を協議した。
ロシア依存からの脱却目指すアルメニア
アルメニアは旧ソ連構成国として、これまで経済や安全保障面でロシアに大きく依存してきた。しかし、隣国アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフを巡る紛争で2023年に完全敗北し、ロシアから十分な支援を得られなかった経験から、外交方針の転換を迫られている。今回のEUとの首脳会合は、こうした背景のもと、ロシアへの依存を減らし、欧州との関係を強化するための重要な一歩と位置づけられる。
欧州政治共同体首脳会合も同時開催
首脳会合に先立つ4日には、エレバンで欧州政治共同体(EPC)の首脳会合も開かれた。30人以上の欧州指導者が参加し、ウクライナ情勢や欧州の安全保障について議論が交わされた。アルメニアはこれらの会合を通じて、欧州との結びつきを強め、国際社会での立場を強化しようとしている。
ロシアの警戒と今後の展望
ロシアは旧ソ連圏を自らの勢力圏と見なしており、アルメニアへの欧州の影響力拡大に強い警戒感を示している。特に、アルメニアがEUとの安全保障協力を進める可能性について、ロシアは重大な関心を寄せている。一方、アルメニア国内では、EUとの接近が経済的利益や国際的孤立の回避につながるとの期待がある。
今後のアルメニアとEUの関係強化の度合い、およびロシアの対応が、地域の地政学的バランスに大きな影響を与えるとみられる。アルメニアはバランス外交を模索しつつ、新たな国際関係の構築を目指している。



