国賓として来日中のフィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は28日、国会で演説し、覇権的な動きを強める中国を念頭に「ルールに基づく海洋秩序の維持において、主導的な役割を果たしていく」と述べ、日本との安全保障協力を強化する姿勢を強調した。
南シナ海問題と日比協力
フィリピンは南シナ海で中国と領有権を争っている。マルコス氏は「(日比は)力ではなく、ルールに基づき管理される海であり続けるよう尽力している」とし、自衛隊と比軍が互いの国で活動しやすくなる「円滑化協定(RAA)」や「物品役務相互提供協定(ACSA)」について、「安保分野の協力深化が具体的に示されている」と述べた。
国交正常化70周年と歴史的和解
今年は日比の国交正常化70周年の節目にあたる。マルコス氏は太平洋戦争の激戦地となったフィリピンと日本の関係について、「和解から深い相互信頼へといたる転換の物語だ」とし、日本の支援が「フィリピンの人々の生活を一変させてきた」と述べた。
経済安全保障とEPA現代化
経済安全保障分野では、サプライチェーン(供給網)強靱化などを訴えた。2008年に発効した日比の経済連携協定(EPA)を挙げて「急速に変化する地経学的現実の対応に向け、枠組みの現代化が必要だ」とも語った。
マルコス氏の演説は、日本との関係強化を通じて地域の安定と繁栄を目指す決意を示すものとなった。



