百済ルーツの帯金具、静岡県富士市の古墳で出土 日本国内では初めて
静岡県富士市は7日、同市の須津千人塚古墳から、古代東アジアの高度な工芸技術で作られた帯金具が出土したと発表した。この帯金具は、朝鮮三国時代の百済で、最後の都が泗●(さんずいに「比」)(現・忠清南道扶余郡)に置かれていた538年から660年の間に、官人の身分を示すために使用された●(金へんに「誇」のつくり)帯(かたい、帯の飾り金具)の一部とみられ、国内での出土は初めてとなる。
出土品の詳細
出土した金具は3点で、すべて銅に金めっきを施した金銅製。帯の先端に取り付ける金具1点と、帯の表面に付ける円環付きの●(金へんに「誇」のつくり)板2点からなる。帯先の金具は長さ11センチで、古代中国で仙人の住む山とされる三神山(蓬萊山・方丈山・瀛州山)、2羽の鳳凰、口を開いた鬼神が「蹴り彫り」などの技法で精巧に表現されている。
専門家の見解
専門家は「百済本国か百済系の技術者によって製作された可能性が高い。当時の百済では墓に遺物を副葬する習慣が衰退しており、同様の製品はほとんど見つかっていない。古代東アジアの交流を考える上で極めて重要な工芸品だ」と評価している。また、同じような鬼神などの意匠は、国内では聖徳太子が建立した法隆寺(奈良県)の献納宝物で確認されており、関連性が注目される。
古墳の概要
須津千人塚古墳は富士市に所在する古墳で、今回の帯金具は石室内から発見された。市教育委員会は詳細な調査を進めており、今後の分析で百済と日本の交流の実態がさらに明らかになると期待されている。



